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彼女がキレイな理由:長谷川京子さん 年齢を重ねることでしか得られないものを極めたい 「ユーモアを持った人」に憧れ

 女優であり、2人の子供の母親でもある長谷川京子さん。今月、7年半にわたって毎月つづったエッセーが書籍として発売された。タイトルは「長谷川京子 おいしい記録」(集英社)。野菜嫌いの子供と繰り広げた名勝負や、手作りギョーザがもたらす母から自分、子供への思い、友人と食べるイカスミパスタの爆笑エピソードなど、食にまつわる何気ない日常の一コマが、飾らない文体でつづられている。長谷川さんに7年半で訪れた変化や当時の思い出、子育てで感じること、年齢を重ねたからこそ考える美しさについて聞いた。(全3回)

 ◇「せっかくの人生楽しまなきゃ!」がモットー ソファから立ち上がるのも面倒な日も

 メリハリのある美ボディーでデニムからドレスまで着こなし、自身のSNSでトレーニング風景を公開するなど美をストイックに追求しているように見える長谷川さん。しかし、エッセーには「ポップコーンが大好きで、映画館に行ったときは必ず食べてしまう」といった親近感の湧く一面もつづられている。

 そんな自分を長谷川さんは「努力を努力と感じない側面もある」と自己分析しつつ、「完璧主義だと思ったことは一度もない」と話す。「ちょっと気を抜くと、ソファからトイレに立つのすら面倒くさい!という日もあるくらい、とことん怠けちゃうんですよ(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに笑う。

 「せっかくの人生楽しまなきゃ!」をモットーに日々、生きているとも話し、「だから欲望に負けることもあります。それに頑張りすぎると、かえって燃え尽きてしまうので、イベントごとはちゃんと楽しみたいなと思うんです。それぐらいのことはすぐに巻き返せるから」とメリハリを大切にしている。

 ◇特別なトレーニングより日常生活 ボディーラインの出る服で美意識向上も

 さらに、普段からあえてボディーラインが出る服を着ることで、自分の意識を高める工夫も。

 「もちろんTPOや、その日の自分のコンディションにもよりますが、タイトな服を着たらおなかに力を入れたりするし、立ち方や座り方も自然に意識しますよね。私も普段はそれほど腹筋運動をしないし、通えるときでも週に2回くらいのワークアウトしかしていないんです。

 でも、下腹に力を入れて骨盤を立てるだけでインナーマッスルに効いている感じがあるんです。時々、数時間のトレーニングをするより、呼吸法や立ち方、座り方を意識しながら日常生活を送る方が、長期的に見ると効果があると思います」

 とはいえ、長谷川さんであっても「食べすぎると、おなかにお肉がついてしまうこともある」といい、「年齢とともにお肉がつく場所が変わってきているので、やっぱり適度に食事量を調整することも大切」と考えるようになった。

 「今はジムに通うのも考えてしまう状況だからこそ、『どこまでヒップアップできるか頑張ってみよう!』と、自ら気持ちを上げているところがありますね。常に自分が心地よい状態を保つように心がけています」と、“率先して楽しむ”という姿勢は常に忘れないようだ。

 ◇人生は自分のとらえ方次第 「何事もできるだけ前向きに」

 エッセーの連載を開始した当時から、7年半がたった今の心境を聞いてみると、「あっという間。さすがにうれしくはないですよね。正直、年齢を重ねていくのが楽しみだとはあまり思わない(笑い)。年齢を重ねることにあらがいたくはないけど、あらがわないのもちょっと……と思いますし。でも、年齢を重ねることでしか得られないものを極めていきたい気持ちもあるんです」と複雑な思いを隠さない。

 そして「自分を極限の状態に追い込むと、新たな“能力”が開花する」というエピソードを挙げ、“新しい自分”に期待していることを明かす。

 「それとまったく同じではないのですが、もし私から今、何かが変化していくとしたら、今までとは違う新しい変化があるんじゃないかと信じているようなところもありますね。人間としての深みが増すというか……。  例えば、20代の子がなかなか持ち得ないユーモアのようなものが、大人の女性にはあると思うんです。でも、ユーモアを持って生きるか、持たないで生きるかは本人次第。私自身、手に入れられる年齢になってきたと思うので、まさに今、探しているところです」

 「ユーモア」は今の長谷川さんのキーワードのようで、取材中、繰り返した言葉の一つ。

 「自分に起こった大変な出来事すら、ちょっとしたネタにできるくらいのユーモアを持った人になりたいですね。その方が、周りの人もポジティブな気持ちになれると思うから。長く生きていたら、誰しも大変なことの一つや二つは経験しているもの。それをどうとらえるかによって、見える景色も全然変わってくると思うんです。だから私は何事も、できるだけ前向きに考えるようにしています」

 (取材・文/渡邊玲子)

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