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女優の吉岡里帆さんが10月23日、東京都内で行われた「関西演劇祭2021 実行委員長発表会見」に出席。同演劇祭の実行委員長に就任した吉岡さんは、役者を志したきっかけは学生時代に見た演劇だと明かし、「まだ演劇の面白さを知らない方に、ぜひ知っていただきたいという思いが今回すごく強い。実行委員長として、(演劇の魅力を)いろいろな方に伝えていきたい」と意気込んだ。
学生時代に初めて見たという演劇について、吉岡さんは「素晴らしい演劇で、人生の転機となる日だった。劇場がどんなサイズであれ、幕が上がると世界がウワッ!と広がる感覚を初めて体験した。なんてパワーのある空間づくりだろうと思って感動したのを、今でも鮮明に思い出せる」と明かし、「その場でしか見られない“ナマモノ”の貴重さ、そこにいた人だけが共有できる価値みたいなものが演劇の魅力」と語った。
今年で3回目となる関西演劇祭は、演劇にたずさわる才能を発掘し、全国へ輩出することを目指す関西発の演劇祭。かつて関西の小劇場を中心に活動していた吉岡さんは「演者が心から思っている、発している、その人しか出せないエネルギーに劇場で出会ったときに感動する。むき出しで、作品と向き合っている方と出会いたい。きっとそういう方が集まる演劇祭。そこが一番楽しみ」と期待した。
また、コロナ禍の女優業について問われると、自身の舞台は運良く全面中止などをまぬがれたものの、「自分の近くで、稽古(けいこ)をしたのに本番ができなかった舞台だとか、素晴らしい演劇なのに地方公演ができなかったとか、そういう話を聞くと、すごく心が痛い」と胸中を吐露。「中止になるっていたたまれない気持ちになる。対策を練って、実行することが、作り手が報われる瞬間。演劇が好きなんだ、と強い意思をもってやるべきなんだと常々感じている。(コロナ禍を通じて)自分が好きで選択していると意識を持つ点が変わった」と話していた。
関西演劇祭2021は、全国から寄せられた多数の参加エントリーの中から厳選された10劇団の作品が上演される。「クールジャパンパーク大阪」(大阪市中央区)SSホールで11月20日から28日まで。この日の会見には、フェスティバルディレクターに就任した板尾創路さん、スペシャルサポーターを務める劇作家の西田シャトナーさん、映画監督の行定勲さん、NHKエンタープライズのドラマ部シニア・ディレクターである一色隆司さんも出席した。