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女優の多部未華子さんが、日本語吹き替え版の声優を務めた劇場版アニメ「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」(トム・マクグラス監督)が12月17日に公開された。来年女優デビュー20年を迎え、「家族との絆が原動力になる」と話す多部さんに、アフレコの舞台裏や仕事選びの基準などを聞いた。
◇「絆こそ力」のせりふに感銘
同作は2017年に公開された「ボス・ベイビー」シリーズの第2弾。多部さんは、世界を救う任務を負う“見た目は赤ちゃん、中身は大人”のボス・レディの声を演じた。「今回のお話をいただいてから前作も拝見して、『こんなに可愛らしくて面白い作品があったんだ! 最新作も楽しそうだな』と思って参加させていただきました」という。
ボス・レディは息つく暇もないほどの弾丸トークが特徴で、戸惑いも覚えた。
「オリジナル版を見た時は分からなかったのですが、いざ自分で声を当てるとなったら想像よりもすごく早口な上に、巧みな話術で相手を丸め込んでいくようなキャラクターだったので、『大丈夫かな……』と少し不安になりました。キャラクターの口の動きに合わせてテンポよく日本語のせりふを話すのも、とても難しかったです。
お芝居と違ってせりふをすべて暗記しなくていい分、キャラクターの表情や動きを目に焼き付けた上で、身ぶり手ぶりをしながら声を当てていきました」とアフレコの舞台裏を明かす。
特に印象に残ったのは、ボス・レディの「絆こそ力」というせりふだった。「みんなと一緒なら自信もおのずと湧いてくるし、私も家族や身近な人との絆は自分自身を動かす原動力にもなります」と感銘を受けたようだ。
◇30代に入って「一つ一つの仕事をより慎重に考えるようになった」
女優デビュー20年を目前にして「仕事選びのスタンスは基本的には変わらない」ながらも、30代に入って「『やりたい!』と思った仕事のすべてに取り組めるわけではないので、お引き受けする際により慎重に考えるようになった」という多部さん。
基準は「自分が成長できる作品かどうか」。
「自分の技術的な面や時間的な側面から考えて、あまりに無謀すぎるものも現実的じゃない。でも、『余裕を持ってできるかも』というような作品だと甘えてしまう気がする。欲を言えば、『頑張ればなんとかできそう』なくらいのお仕事に挑戦できたら、うれしいです」
そして、「以前は、年に1回舞台に出演するのを仕事のリズムにしていたんです。稽古(けいこ)から本番までキャストの方とずっと一緒にいる舞台は、とても濃密。いずれまた舞台にも挑戦したいです」と今後に思いをはせていた。
(取材・文/渡邊玲子)
*……「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」 見た目は可愛い赤ちゃんなのに中身はおっさんというボス・ベイビーが主人公。今回は前作の25年後が舞台で、大人になり疎遠になっていたボス・ベイビーと兄のティムが、ボス・レディによって“赤ちゃん返り”させられ、潜入捜査に向かう……というストーリー。