田中みな実さん=2021年撮影
今年は、女性下着ブランド「ピーチ・ジョン」の新ブランドミューズ就任に始まり、同社のガードル付きムック本を手がけたフリーアナウンサーの田中みな実さん。女優としての活躍もめざましく、連続ドラマ「ボクの殺意が恋をした」(読売テレビ・日本テレビ系)や「最愛」(TBS系)に出演したほか、初主演映画「ずっと独身でいるつもり?」(ふくだももこ監督)が公開された。会見やイベントでのトークもつねに注目される田中さんの2021年を振り返る。
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美しいデコルテと背中を見せたドレスで登場したのは、女性下着ブランド「ピーチ・ジョン」の新ブランドミューズ就任を発表する会見だった。キービジュアルのモデルも務めた田中さんは、撮影に向けての体づくりや美しいバストの保ち方などを語り、美への並々ならぬこだわりを見せた。
「体づくりはそれほど筋肉をつけず、丸みのあるバストとヒップを出せればいいなと思いました」と説明。みずみずしく見える体を目指し、「化粧水を全身に塗っていた」と明かした。大きく見えるのがコンプレックスだったというバストのケアについて、ビューティー誌などでは“おっぱいまでも顔”と言っていると話し、「スキンケアのとき、首やデコルテ 、バストまで一連でケアします」とは、さすが美のカリスマ。
自身がプロデュースするガードルも発売した。自ら責任編集を務めた「1冊丸ごとおしりBOOK」とガードルの限定色がセットになった、「田中みな実×PEACH JOHNファーストガードルBOOK」(講談社)は発売前に重版が決定。発売記念イベントでは、「100着ものガードルを入手した」と開発の苦労を吐露。終始、熱量の高いトークを繰り広げた。
「私は、『妥協する』とか、『折り合いをつける』という言葉が嫌い。田中みな実が作るものには妥協がないと信じて買ってくださる皆さんの期待を裏切るわけにはいかないという強い意志のもと、折り合いをつけず、本当に皆さんにはいてほしいものを作りました」
一方で、女優業にも精力的だった。ドラマは、「ボクの殺意が恋をした」と「最愛」にレギュラー出演。これまで演じてきた飛び道具的な個性が突出したキャラクターとは違い、演技そのものが注目される役を演じた。
人気マンガ家のアシスタントを演じた「ボクの殺意が恋をした」ではコミカルからシリアスな演技まで披露。クライマックスの水野美紀さんと対峙(たいじ)する場面では、恋人を殺された悲しみと憎しみをぶつける熱演が話題を呼んだ。この冬いちばんの話題作となった「最愛」では、吉高由里子さん演じる主人公を追い詰めるフリーライター役。化粧っけもなく無造作に結んだ髪というビジュアルも新鮮で、無表情なうつろな目をしたり、なにかにとりつかれたように相手に食らいついたり、と全力での演技が印象的だった。
記念すべき初主演映画「ずっと独身でいるつもり?」では、仕事と結婚に揺れる36歳の独身作家を演じた。やりがいのある仕事はあるが、作家としてはヒット作が書けずにいるうえ、独身でいることを周囲からなにかと言われる。とにかく、この年ごろの女性というのは生きづらいのだ。「うるせえよ」と本音をつぶやくシーンに涙した観客も多かったはず。自分にとっての幸せのかたちを模索するヒロインを感情豊かに表現し、女優としての新たな一歩を踏み出した田中さん。2022年は女優として、よりいっそう幅広い活躍が期待される。
(取材・文/服部広子)
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