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「東京23区Another Story」を発売し取材に応じた川口春奈さん
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「東京23区Another Story」を発売し取材に応じた川口春奈さん

川口春奈:常に「やるしかない!」という気持ち 2020年が“転機”の年に

 放送中のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」(総合テレビ、月~土曜午前8時)で、ヒロインの姉を演じる女優の川口春奈さん。このほど、最新フォトブック「川口春奈 東京23区 Another Story」(幻冬舎)を発売した。

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 女性誌の連載から誕生したフォトブックで、連載がスタートしたのは2020年。この年は、NHKの大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」への出演や、YouTubeチャンネルの開設など新しい挑戦を始めた年でもある。「常にやるしかない! という気持ち。初めてのことなら、なおさら頭で考えていても仕方ない。やってみないと分からないという思いは、どの現場でもありますね」と語る川口さんに、当時を振り返りながら、フォトブックや初出演となる朝ドラ、今後の目標について聞いた。(取材・文/服部広子)

 ◇2020年は“転機”の年 初の大河、YouTube開設も

 2020年1月に放送をスタートした「麒麟がくる」では、織田信長の妻・帰蝶を演じた川口さん。急きょ出演することになったが、大河ドラマ初出演で初めての時代劇ということを感じさせない確かな演技とその美しさが話題を呼んだ。

 「自分自身、飛び込むような形でチャレンジしたので、本当に刺激的でした。『時代劇は初めてだから恐い!』とか、そんなことも感じている時間もなかったですから。とにかく、何も分からないけどやってみるしかない!という感じでした。結果、幅広い世代の方に自分を知っていただける、いい機会にもなりました。今振り返っても、今後の人生においてもプラスになった期間だったと思います」

 YouTubeチャンネル「はーちゃんねる」を開設したのも、この年の1月。今年3年目に突入し、5万円の巨大カニに食らいつく姿や温泉一人旅の様子など、自らが考えた企画を次々と配信し、登録者数が150万人を超える人気チャンネルとなった。

 「このお仕事をしてきて、“自分で考えて、自分で撮って、配信して”という経験がなかったので、自分の中でも斬新なんですよ(笑い)。YouTubeでしか私のことを知らない方がいることも面白いですね。作品という形でフィルターを通したものではなく本来の自分を発信できるツールとして、自分自身が遊べる場所、息抜きする場所にもなっています。(コロナ禍が収まって)制限なく自由にやれる時期が来たら、自分が好きな旅行や温泉とか、外で遊ぶ何かをやっていきたいですね」

 ◇「素で楽しんだ」写真が一冊の本に

 フォトブックの基になったのは女性誌「GINGER(ジンジャー)」(同)の連載「東京23区 STORY」。最新ファッションをまとった川口さんが東京各区の特徴的なスポットを訪れ、「遊び心みたいなものを意識して作っていた」と印象的なビジュアルを撮影した。フォトブックには未公開の写真を収録した。

 練馬大根で知られる練馬区では畑で大根を収穫する姿、東京湾の自然が残る江戸川区ではハイファッションに身を包みクールにたたずむ姿など、さまざまなロケ地とファッションとの融合も見どころの一つ。

 「どの区に行っても、それぞれ表情が違って、『こんなところがあったんだ!』という発見がありました。初めて行く場所もワクワクしましたし、住んでいたこともある目黒区や世田谷区ではやっぱり心が落ち着いて……。東京に住んでいても、隅々まで見ることはできないですから。撮影を通してそれぞれの街の色や匂いがあるということを知ることができたことはとても有意義な時間で、どの街で撮った写真もお気に入りです。

 撮影した場所とファッションがマッチしているところもあれば、アンバランスな感じもあって、その絶妙なバランスも面白いと思います。顔やポーズをキメている写真が多いんですけど、自分自身、モデルという意識ではそこに立ってなくて。ただ、その場所に行って素で楽しんでいる、自然体でそこにいるという感じなのかな(笑い)」

 ◇朝ドラ出演、紅白司会が親孝行に

 11日から放送が始まった「ちむどんどん」では、黒島結菜さん演じるヒロインの姉を演じる。物語は、1960年代、沖縄の本土復帰の年からスタート。サトウキビなどの農家を営む家族を描く。

 「昨年10月にクランクインしたころは、まだ先のように感じていましたけど、あっという間に放送開始ですね。家族の話なので、黒島さんや母親役の仲間由紀恵さんをはじめ、家族を演じるキャストの方々といる時間が多くて、撮影の合間も会話が尽きないです。

 沖縄ロケではみんなでご飯を食べることもありましたし、(撮影は)深い人間関係を築ける時間にもなるのかなと思っています。『やっぱり家族っていいな』『友達ってこうだよな』といったことを改めて教わるようなところがあって、無性に家族に会いたくなるような気持ちにさせてくれる。とても居心地のいい現場です」

 初めての朝ドラ出演を「家族がとても喜んでくれた」とほほ笑んだ川口さん。

 「昨年の暮れ、紅白歌合戦の司会をやらせていただいたときも、家族が喜んでくれたことが何よりもうれしかったんです。『ちむどんどん』もとても楽しみにしてくれています。少しは親孝行ができたのかな」

 次々と話題作に出演し、役者として順調に歩んできた20代。27歳を迎え今後、どのような女優を目指しているのだろうか。

 「こうなりたいという具体的な目標はないんですけど……先輩方を見ていて、やっぱり、ずっと出続けている方、常に第一線で活躍されている方ってすごいなあと思います。

 年齢というのは、仕事の上であまり関係ないと思っていますが、それでも年齢が上がっていくにつれて、できる役の幅が広がるだろうなという期待は大きいです」

 ◇「好き」を大切にしてストレス解消

 多忙な日々でも健康や美容、リフレッシュのため、「おいしいものを食べて、よく寝る」という川口さん。

 「キツい運動は長続きしないので、運動はストレッチに腹筋を軽くプラスするくらい。最近はピラティスを始めました。食べ物は栄養に偏りがないように気をつけていますが、あまり細かいことまでは気にしないですね。

 自分が好きなものをコンスタントに“入れて”いかないとしんどくなっちゃう。そういう意味では、好きな人に会う、好きなことをやるというのがいちばんのストレス解消法なのかなと思います」

 柔軟な考え方は日々の生活でも同じことだという。

 「ナチュラルな自分でいるために、自分がいいと思ったことはやるようにしています。あとは、周りの意見も大切にする。ひとりよがりにならずに柔軟に、いろんな意見を聞くことで、自分にいい影響がありますし、感性も磨かれると思うんです」

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