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内田也哉子:役者オファーに後ずさり 母・樹木希林さんの言葉を実感 映画「流浪の月」で松坂桃李の母役に

 文筆家の内田也哉子さんが5月13日、東京都内で行われた、出演する映画「流浪(るろう)の月」の初日舞台あいさつに出席した。内田さんは松坂桃李さん演じる佐伯文の母親を演じた。李相日監督からオファーされた内田さんは「後ずさりしてしまった。姿形は母に似ているので、そういう演技力を求められていると思った。私はいつも仏頂面で無理だと思った」と一度、断ったことを明かした。

 オファーを断った後、李監督から手紙が届き「演技力を求めてないので大丈夫です。気持ちさえあれば存在しているだけで大丈夫」と書かれていたという。その後、カフェで直接会い、「飛び込まないほうが後悔する」と感じて映画出演を快諾。内田さんは撮影に臨んだ。

 内田さんの母・樹木希林さんは、李監督がメガホンをとった映画「悪人」に出演した縁がある。「悪人」に出演した際、樹木さんは「監督はしつこい」と漏らしていたが、内田さんは「母の言っていた『しつこい』は意味のあるもの。一人一人の役者に向き合っていくと長い時間がかかるんだなと腑(ふ)に落ちた。まったくお芝居はできないけど、監督に導いてもらいました」と感謝した。

 「流浪の月」は、2020年の本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの同名小説(東京創元社)が原作。10歳のときに誘拐事件の被害女児とされた女性・家内更紗(広瀬すずさん)と、加害者とされた青年・佐伯文(松坂さん)が秘密を抱えたまま、15年後に再会するというストーリー。

 初日舞台あいさつには、広瀬さん、松坂さん、横浜流星さん、多部未華子さん、李監督も参加した。また子役の増田光桜さんがサプライズ登場し、広瀬さんと松坂さんに花束を手渡した。

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