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映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」のトーク付き先行試写会に登壇した内田也哉子さん(C)“Ryuichi Sakamoto:Diaries” Film Partners
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映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」のトーク付き先行試写会に登壇した内田也哉子さん(C)“Ryuichi Sakamoto:Diaries” Film Partners

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内田也哉子:ロールアップ袖の抜け感コーデでイベントに 「“死”を見つめるからこそ…」 坂本龍一さん、母・樹木希林さんとの思い出を語る

 エッセイストの内田也哉子さんがこのほど、音楽家・坂本龍一さんが亡くなるまでの3年半の軌跡をたどったドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto: Diaries」(大森健生監督、11月28日公開)のトーク付き先行試写会に登壇した。スカーフ付きの白のトップスにゆったりシルエットのジャケットを羽織り、白のパンツと合わせたコーデで登場。ジャケットの袖をロールアップして抜け感を演出した着こなしだった。

 およそ30年前、知人を介して米ニューヨークで坂本さんと出会ったという内田さんは当時、坂本さんの自宅へ赴いた際のエピソードを披露。当時6歳くらいの子どもの話を真剣に聞いていた様子を見て、「幼い子どもに話しかけるのではなく、大人にも子どもにも真摯(しんし)に向き合う姿を拝見しました。私がいつか親になった時、こうやって子どもとフラットに語り合えたらどんなにすてきな家族になれるだろうと憧れを抱きました」と明かした。

 また、母・樹木希林さんとのやりとりを振り返り、「母は幼い頃から知人や親戚が亡くなると真っ先に私を連れていって、亡くなった方の顔を見せていたんです。子供ながらに怖かったのを覚えています。こうして人は死ぬんだよってことを母は伝えようとしていたんです。母自身も病を患って、自分の家で、私たちや孫にも自分が老いて亡くなっていく姿をきちっと見せたいと言葉で言っていました」と語った。

 続けて「母が亡くなってからようやく気が付きましたが、“死”を見つめるからこそ今持っている“生”が輝き、尊いものだと分かる。一分一秒を無駄にできないんだという話だったのかなと。坂本さんも相当な覚悟をもって、表現者として皆さんに、自分が必死に生きて閉じていく姿を人生のひとつの通過点として受け取ってもらいたかったのではないでしょうか」と、死を受け入れた人たちの覚悟について話した。

 さらに「坂本さんはこの世に体としてはいらっしゃらない。それは悲しいことなんですが、坂本さんが残してくれた音楽や思いは、確実に残されています。私たちがそれをどう生かしていくか、老若男女みなさんが何かを受け取れると思いました。命の祝福の旅物語だと思いますので、何度でも見てください」とアピールした。イベントには、同作のプロデューサーの佐渡岳利さんも登場した。

 映画は、坂本さんが2023年3月に亡くなるまでの3年半に渡る闘病生活と創作活動を、自身がつづった「日記」を軸に紡いだドキュメンタリー。2024年にNHKで放送され大きな反響を呼んだ「Last Days 坂本龍一 最期の日々」をベースに、遺族の全面協力のもと提供された貴重なプライベート映像やポートレートをひとつに束ねた。日記の朗読は、生前坂本さんと親交のあったダンサーで俳優としても活躍する田中泯さんが務めた。

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