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舞台「HEISENBERG」に出演するりょうさん
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舞台「HEISENBERG」に出演するりょうさん

私が30歳のころ:りょうさん 交際0日婚で生きることが楽に 夫のおかげで「少しずつ変わることができた」

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は女優のりょうさん。アラサー時代の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、7月29日から上演される舞台「HEISENBERG(ハイゼンベルク)」などについて聞きました。(編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

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 ◇女優として突き進んだアラサー時代

 クールな美貌と抜群のスタイル、その独特な存在感が魅力のりょうさん。映画やドラマ、舞台、CMなど幅広いジャンルで活躍し、私生活では2人の男の子の母親でもある。

 1973年生まれのりょうさんは、15歳のとき原宿でスカウトされ、モデルとして活躍。23歳で女優デビューしたドラマ「ロングバケーション」で全国的な知名度を得た20代は、仕事に葛藤していたと語る。

 「物事にのめり込むタイプなので、外出もあまりせず、家で仕事のことばかり考えていましたね。できないことが多すぎて、仕事面では楽しいことより、つらいことの方が多かった気がします。自分の顔にもコンプレックスがありました」

 女優としての転機は20代後半。江戸川乱歩の小説を塚本晋也監督が描いた「双生児」で映画初主演したのだ。監督の「鉄男」の大ファンだったりょうさんは、周囲の不安を押し切って出演を決めた。

 「撮影中、『私の芝居を知らないのに、なぜ選んだんですか?』と聞きました。監督は、『雑誌の表紙の写真を見て、この顔がほしいと思った』と言ってくださった。それを聞いて、初めて嫌いだったこの顔が女優として役に立つんだと思えて、前向きな気持ちになれたんです」

 映画が公開されると圧倒的な演技が絶賛され、女優として新たなステージに立ったりょうさん。その後は映画や舞台にも活動を広げ、「やりたい仕事はどんなことがあってもやる」という信念を貫いた。そして30歳のとき、今度は私生活で転機を迎える。

 ◇交際期間0日で電撃結婚 夫の言葉で、生きることが楽に

 2003年、りょうさんは、長年友人だった男性との結婚を発表した。

 「20代前半からの友人と、交際期間0日で結婚を決めました。彼は、兄が重い病気になったときに支えてくれた人で、一緒に作品を作ったりする仲間。友達だし、今さら付き合う関係でもないよね、となって結婚したんです。籍を入れた日がたまたまエープリルフールだったので、友人の中には冗談だと思った人もいたようです(笑い)」

 2年後、長男を出産し、その7年後には次男を出産。家族をもって一番変わったことは、人に頼れるようになったことだと語る。

 「私は子供の頃から、日常生活のことはすべて自分でやっていました。家庭環境の問題もあって、親に頼ることができなかったんです。結婚した後、夫が『何でも一人でやっちゃう。もうちょっとリラックスして人に頼ってもいいんじゃない?』って何度も言ってくれて。『そうなんだ』と思って、少しずつ変わることができたんです」

 周囲に頼ることで精神的に余裕が生まれ、楽しみながら育児ができたとほほ笑んだ。やがて子育てが落ち着くと、ふたたび仕事をスタートさせた。

 「義母が、育児に協力的だったこともきっかけでした。最初は子供を置いて働く自分に罪悪感もありましたけど、そこまでしてやるなら、もっと深く仕事をしようと気持ちを切り替えたんです」

 一方、私生活では、親として子供への責任を感じるように。

 「子供といると、自分のやっていること全部が教育だなと思います。だから、自分のすべてを子供に見せられる親でいたいですね。きちんとあいさつをすることとか、親がやっていれば子供は見てくれる。以前、どうすれば『いい子』に育てられるかという話になったとき、『親が“いい子”だったら、子供もいい子になるんじゃない?』って言いました(笑い)」

 芸能界に入って約35年を経て、現在も第一線で活躍するりょうさん。女優としても一人の女性としても進化を続ける秘密は、地に足のついた凛(りん)とした生き方と、アラサー時代の豊かな人生体験にあるのかもしれない。

 <プロフィル>

 りょう 1973年1月17日生まれ。埼玉県出身。10代からモデルとして数多くの雑誌やファッションショー、CMで活躍。1996年、ドラマ「ロングバケーション」で女優デビュー。以降、映像・舞台作品、ナレーションなど、幅広く出演している。代表的な出演作品は舞台「DEDICATED 2014 ~OTHERS~」「髑髏(どくろ)城の七人season花」「偽義経冥界歌」「両国花錦闘士」、 ドラマ「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」「流星の絆」「名前をなくした女神」、映画「双生児」「バズ・ライトイヤー」(日本版声優)など。

 *……舞台「HEISENBERG(ハイゼンベルク)」▽脚本:サイモン・スティーブンス▽翻訳:小田島創志▽演出:小山ゆうな/古川貴義▽出演:りょう、上条恒彦、小島聖、平田満▽上演:中野ザ・ポケット(東京都中野区)で7月29日~8月14日

 *……りょうさんが出演する予定だった「ハイゼンベルグ」の公演は、出演者の体調不良により、中止となった。7月26日、同舞台の公式サイトで発表された。女優の小島聖さん、俳優の平田満さんが出演する公演は予定通り実施する。中止公演の払い戻しについては後日、公式サイトで発表される。

 *……りょうさんのインタビューは全3回の予定でしたが、公演中止に伴い、全2回に変更しました

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