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私が30歳のころ:高岡早紀さん 育児に奮闘 シングルマザーとしての子育てが人生の転機に

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は女優の高岡早紀さん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、8月20日から上演される二人芝居「毛皮のヴィーナス」などについて聞きました。(全3回の1回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 女優として第一線で活躍を続け、今年は芸能生活35周年を迎える高岡さん。華やかなポジティブオーラで人々を魅了する一方で、3人の子供の母としても奮闘してきた。

 1972年に横浜で生まれた高岡さんは、7歳でクラシックバレエを始め、留学資金がほしくて応募したCMのオーディションに合格して芸能界デビュー。1994年に主演した深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。

 そんな高岡さんが“運命を感じる男性”と出会ったのは23歳のとき。

 「仕事ばかりしていた時期に、突然、『私は23歳で結婚をしたかったんだ!』と思い出したんです(笑い)。彼とは結婚に向けてのお付き合いをして、結婚したという感じでした。それまで子供にはまったく興味はなかったのですが、結婚するなら彼の子供が欲しいという感情が自分の中に自然に芽生えました」

 結婚の翌年には、長男を出産。2年後には次男が誕生した。「あのころは子育て以上に幸せなことはないと思いました」と、当時の生活を振り返る。

 「30歳のころは子供たちが4歳と6歳ぐらい。まさに子育てに奮闘中でした。芸能の仕事はほぼ休んでいたのですが、結婚したくて結婚したし、子供が欲しくて子供を産んだので、そこに迷いはなかったです。当時はまだ若かったので2人の子育ては知らないことも多くて大変なこともありました。でも、子供の可愛さは何にも代えられない。充実した毎日を過ごしていたと思います」

 ◇転機になった離婚体験を乗り越え、新たなステージへ

 結婚して8年目、パートナーとのすれ違いを感じた高岡さんは、離婚することを決意した。シングルマザーとして子供を育てることは、人生の転機になったという。

 「一人で子供たちを育てるためにはそれなりにお金が必要です。それまでのように好きな仕事を選んでいたら、自分がしたい生活はできないと思いました。仕事をした方がよりよい生活ができて、子供たちとその分楽しく過ごせるなら、頑張って仕事を増やそう。そう覚悟を決めたんです」

 その後、本格的に仕事に復帰した高岡さんは37歳のとき、一般男性との間に長女を出産する。働きながら3人の子供たちを育てる日々は、高岡さんを精神的に成長させたと語る。

 「若かったころは、人の意見よりも自分の意見を優先したところもあったんです。でも、子供の人数が増えれば増えるだけ、自分が一番後回しにならざるをえない(笑い)。あと、若いころは人に喜んでもらうために行動しようという発想があまりなかった。でも、子供には喜んでほしいから、できることは何でもするようになって。それまでの自分とは精神的にだいぶ変わりました。子供たちがいなければ、私は今ここにいないと思うんです」

 現在は子供たちも成長し、高岡さんは女優業のほかにも、さまざまなジャンルにチャレンジしている。今年4月からは、情報番組「ポップUP!」(フジテレビ系)にコメンテーターとして出演。来月からは初の二人芝居「毛皮のヴィーナス」で主演する。どんな仕事もポジティブに取り組めるのは、「何かあっても大丈夫」という絶対的な安心感があるからだ。

 「どんなに仕事が忙しくても帰る家はそこにあり、家に帰れば子供たちの笑顔を見ることができる。家族が平和に楽しく過ごせれば、私にとっては十分幸せなんです。シンプルなことですが、そんな幸せに気づいたのは、30代の経験があったからだと思います」

 <プロフィル>

 たかおか・さき 1972年生まれ。15歳でテレビCMのモデルとして芸能界デビュー。1994年、「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。結婚、出産後も、話題作に多く出演し、女優として第一線で活動を続ける。2022年4月にスタートした情報番組「ポップUP!」(フジテレビ系、月~金曜午前11時45分)の金曜レギュラーとして初めてのコメンテーターに挑戦。

 *……舞台「毛皮のヴィーナス」▽作:デビッド・アイブズ▽翻訳:徐賀世子▽演出:五戸真理枝▽出演:高岡早紀、溝端淳平▽上演:8月20日~9月4日▽会場:シアタートラム(東京都世田谷区)

 *……次回は8月9日掲載予定

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