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山崎紘菜:落ち込んだ時は泣いて、寝る 「時間は放っておいても流れていく」 幸せになることに前向きな性格

 女優の山崎紘菜さんが出演する映画「LOVE LIFE」(深田晃司監督)がこのほど、公開された。木村文乃さん演じる息子を亡くした主人公・大沢妙子が、元夫や再婚相手らと関わりながら、愛や人生に向き合っていく物語。山崎さんが演じたのは、主人公の再婚相手の元恋人・山崎理佐。名字が同じで、元陸上部という共通点もあることから「運命めいたものを感じた」という。「幸せに前向き」という役との共通点や、悲しみとの向き合い方、結婚観などを聞いた。

 ◇後悔するより「どうやって人生を変えるか」

 「この作品では、幸せになることから逃げてしまったり、過去を生きてしまったりする登場人物が多いんです。その中で理佐は幸せになることに対してすごく前向き。私も幸せになることに対して、前向きに取り組んでいると思いますし、過去に生きようと思わない。そこが理佐とすごく似ていると思いました」と語る山崎さん。

 未来に目を向ける理由は「過去にしてしまったことは、どうしても変えられないから」という。「悩んだところで、その時間が無駄だと感じてしまいます。反省して、改善点を見つけて取り組むことのほうが多いですね。後悔するより、どうやって人生を変えていけるかを考えるようにしています」

 悲しいことやつらいことがあって、落ち込んでしまったときは「まずはたくさん泣く」ことが“ルーティン”。「たくさん寝て、人と話して、おいしいものを食べて。あとは時間が解決してくれるので、悲しみが過ぎるのをただ待ちます。時間は放っておいても、流れていく。だって、1年前にあった悲しいことって、ほとんど覚えていないですよね。

 でも、妙子さんの場合は、自分の大切なものを失うという、とてもつらい経験をしてしまった。私には子供がいないし、両親も健在だし、友達を失った経験もありません。そういう、一生心に残るような傷にまだ触れたことがありません……そうなったら、自分がどうなるかは想像がつかないです」

 ◇結婚生活への理想はない

 同作に出演したことで、「どういうふうにお互いを思い合えば、夫婦が長く一緒にいられるのか」という疑問を持ったという。

 「その答えは全く出ていないですね。そもそも結婚生活に理想があまりないタイプ。この人を一生愛せると思ったら、自然と結婚につながるのかなと思っています。だから『何歳までにしたい』ということも考えません。好きな人と一緒にいたいから結婚するのに、デッドラインがここだからこの人でいいやってなってしまうのは、すごく悲しいと思うので。

 ただ、優しい人はとてもすてきだと思います。忙しかったり、気持ちに余裕がなかったりして、人に優しくできない瞬間って誰しもあると思うんですよね。私も、普段なら全く腹が立たないことにカチンってきちゃうとか……自分に余裕がないときでも、誰かに優しくできる人には憧れます」

 ◇「言葉で表せない、たくさんの感情」との出会い

 映画では、決まった役作りの方法はないという山崎さん。「監督や脚本、共演する方によって、作品は一つ一つ違うし、私は監督のフィロソフィー(哲学)を伝えるのが映画だと思っています。だから、監督が何を考えているのか、何を期待されているのかを考える時間のほうが多いかもしれません」

 同作では描かれていない、理佐と、元恋人で妙子と結婚した二郎との恋愛について「自分の中での妄想ですけど、想像は膨らませていました」と振り返る。

 どんな2人を想像していたのか。「深田監督のインタビューを拝見すると、映画を見た方に、正解を委ねている部分が多いのだと思いました。私が考えていたことを言ってしまったら、見てくださる方の想像を奪ってしまうので……(知らずに)楽しんでもらえたら」と笑顔を見せた。

 完成した映画を見たときは「言葉で表せない、たくさんの感情が湧き上がってきました」と振り返る。「映画の中で妙子さんが感じている痛みだったり、登場人物のみんなが感じている不安だったり、反対に優しさだったり。映画を見た人にも、私がそうだったように、新しい、初めての感情と出会ってもらえればうれしいです」

 <プロフィル>

 やまざき・ひろな 1994年4月25日、千葉県生まれ。「第7回『東宝シンデレラ』オーディション」で審査員特別賞を受賞。10月3日に放送をスタートするNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では、ヒロイン・舞(福原遥さん)と航空学校の寮で同室となる、帰国子女の矢野倫子を演じる。10月7日から放送のWOWOWの連続ドラマ「タツノコプロ創立60周年記念 WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」にも出演。

 *……映画「LOVE LIFE」は、深田監督が20歳のころに出会った矢野顕子さんの同名曲から生まれた。木村文乃さん、永山絢斗さん、砂田アトムさん、山崎紘菜さんらが出演。第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品。さらに、第47回トロント国際映画祭、第27回釜山国際映画祭への出品も決定した。

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