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彼女がキレイな理由:中条あやみさん 蒸しサウナ状態で過酷な撮影 「今までとは違う新しい弦巻比奈に」 劇場版「TOKYO MER」を語る

 俳優の中条あやみさんが出演する劇場版「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(松木彩監督)が4月28日に公開される。オペ室を搭載したERカーで事故や災害現場に駆けつけ、負傷者のために戦う救命医療チーム「TOKYO MER」の活躍を描く。2021年に連続ドラマが放送され、今月16日午後9時からは新作ドラマスペシャルも放送される。「劇場版で一番大変だったシーンは? とよく聞かれるのですが、逆に大変なシーンしかないくらい過酷な撮影でした」と語る中条さんに、映画の見どころや撮影エピソードを聞いた。(全3回の1回目、取材・文/服部広子)

 中条さんが演じたのは、循環器外科を目指していたが、無理やりTOKYO MERのチームに参加することになった研修医・弦巻比奈。最初は、MERの存在自体や鈴木亮平さんが演じる主人公・喜多見幸太のやり方に反発していたが、危険を顧みず患者のために戦う喜多見の背中を追いながら、徐々に意思が変わっていく。

 「劇場版では、自分はMERの一員としてやっていくんだという強い意志を持った比奈が描かれます。救命措置やオペのシーンも頼れる存在っていうところをしっかり出してカッコよく演じないといけないと思っていたので、オペの手順や言い回しなども入念に確認し、今までとは違う新しい比奈を演じました。手術シーンの撮影の前は、実際のオペの動画を見るなど勉強してから入るんですが、チーム全員、リアリティーには強いこだわりを持って演じているので、連続ドラマ版と変わらず見どころだと思います」

 物語の舞台は、横浜・ランドマークタワー。爆発事故の発生によって地上70階に取り残された193人を救い出すため、炎と煙が激しく立ち上るなか、TOKYO MERのメンバーたちの必死の救出劇が描かれる。

 「過酷な撮影が続きましたが、なかでも一番大変だったのが、負傷者たちを担架で運ぶシーンですね。何回も階段を上がり降りするのも大変なのに、現場の気温は40度近くあってものすごく暑かったんですよ。そのうえ、スプリンクラーが作動して水が散布されるシーンを撮るためにみんなびしょびしょで、蒸しサウナ状態(笑い)。完成した映画を見たとき、その現場の過酷さがしっかり画面に映っていると思いました」

 物語の展開は知っているにもかかわらず、「違う物語を見ているような感覚だった」とも。

 「自分が想像していた以上にスケールが大きくて驚きました。私は私で戦っていましたが、喜多見チーフも、音羽先生(賀来賢人さん)もそれぞれの戦いがあって、誰一人欠けてもこのチームはなかっただろうと思うほど、TOKYO MERのよさが出ていたと思います」

 さらに、映画版の最大の見どころは、絶体絶命の危機に直面した人々が「命とは? 愛とは?」という究極のテーマに挑む姿だという。

 「MERのメンバーの家族や仲間など身近な人に危機が迫り、これまで以上に切実な状況に陥ります。何を犠牲にして、何を選択すればいいのだろう? と、私自身もとても考えさせられました。喜多見先生の背中の大きさを今まで以上に感じる作品になっていると思います」

 <プロフィル>

 なかじょう・あやみ 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。2011年からモデルとして活動し、2017年から女性ファッション誌「CanCam」(小学館)の専属モデルを務めている。2014年に「劇場版 零~ゼロ~」で映画初出演、初主演した。

 *……新作ドラマスペシャル「TOKYO MER~隅田川ミッション~」は、「TOKYO MER」の正式認可から半年後が舞台。音羽はチームを去り、サポートドクターとして青戸(伊藤淳史さん)がやってくる。そんな矢先、隅田川で大型水上バスと屋形船の衝突事故が発生。多数の負傷者を乗せたまま屋形船は暴走し、爆発の可能性も。喜多見たちは救助のため、決死の作戦に出る。4月16日午後9時からTBS系で放送。

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