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書籍「アラ還十和子」を発売し取材に応じた君島十和子さん
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書籍「アラ還十和子」を発売し取材に応じた君島十和子さん

私が30歳のころ:君島十和子さん 「30代は、人生の基礎作りの時期だった」 モデル・女優から主婦、母、美容家、企業経営者に

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は実業家・美容家の君島十和子さん。当時の思い出や、30歳をより輝かせるためのアドバイス、4月に発売した書籍「アラ還十和子」(講談社)などについて聞きました。(全3回の3回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 ◇30歳のころは新米主婦として奮闘中

 人気美容家として活躍し、私生活では2人の子供の母親でもある君島さん。1966年に東京で生まれ、スカウトされてモデルデビュー。その後は、JAL沖縄のキャンペーンモデルや女性ファッション誌「JJ」の専属モデルを始め、ドラマや舞台にも進出して人気を集めた。

 そんな君島さんの人生が動いたのは、アラサーの頃。日本を代表するファッションデザイナーである君島一郎の息子、君島誉幸さんと出会い、結婚して芸能界を引退することを決意したのだ。

 「29歳で結婚し、31歳で長女を出産したので、30歳の頃は新米主婦そのものでした。女優の仕事は好きで絶対やめないだろうと思っていましたけれど、主人の仕事をサポートしながらできる仕事ではないと思いましたし、当時の時代の風潮もあって、主婦業に専念することに迷いはありませんでした」

 名家の御曹司と美しい女優の結婚は当時、マスコミの注目を浴び、ゴシップの嵐も。だが君島さん自身は、初めて体験する主婦業に没頭していたという。

 「当時は主人の母と同居して、生活は母のペース。結婚前は実家暮らしだったこともあり、家事全般が得意というわけではなく主婦業にエネルギーを注いでいました。午前中は通いのお手伝いさんのアシスタントとして、毎日4時間はお掃除。やることは毎日出てきて、すべてを一から習ったんです。周りも私が家事を苦手だと知っていたので、『まさかお米を洗剤で洗ってないわよね?』というところから教えてくれたので、ラクな部分もありました(笑い)」

 夫が経営するブティックでも、君島さんの主婦修行は続いた。

 「主人のブティックには、長年勤めているプロのスタッフが大勢いたんです。そこでも私は“最下級生”でしたので、何もわからず、すべてみなさんから教えてもらう立場でした。私は主人のアシスタントになって、ここが自分が飛び込んだ世界なんだ、とにかく勉強しなくては、と、夢中でやっていました。時間に余裕ができると、好きな美容の雑誌を読んでいたと思います。振り返ると、すべてが新鮮で、学びの連続でした」

 ◇雑誌の取材をきっかけに、「美容家」という新たな道へ

 主婦の仕事に真剣に取り組み、日々の生活に丁寧に向き合った君島さんは、1997年に長女を出産した。今度は母親として子育てに励む中、独身時代からずっと好きだった「美容」への関心が再び目覚めることに。

 「長女が1歳になるかならないかのころ、結婚後初の美容の取材を受けたんです。それがきっかけで、美容の仕事が増えていきました。『いつか好きな美容を仕事にしたい』という構想は頭の片隅にあっても、日々の生活を切り盛りするのが先だと思っていたのです。でも、ブティックの隅でおすすめのコスメを紹介して、お客様が喜んでくださる姿を見ながら、女優の仕事より、この仕事の方が自分の性格にも合っていると思い始めたんです」

 その後は、主婦と子育てをしながら、自身のセレクトショップをオープン。雑誌の美容特集などにも登場し、39歳で自身のスキンケアメーカー「FTC(フェリーチェ・トワコ・コスメ)」を設立。「美容家」「企業経営者」という超多忙なワーキングマザーとしてのキャリアが幕を開けた。だが華やかな成功の陰には、多くの葛藤や失敗もあったという。

 「一般的には社会人になって、生活ができるようになってから結婚や出産があると思うのですが、私の場合は順番が違ってしまったんですよね。主婦として、社会人としてあたりまえのことができないまま仕事を始めてしまったので、キャパオーバーになってしまったんです。『なんで誰も責任をとってくれないの?』『いや、責任をとるのは私だよね』と考えてしまうこともよくありました」

 人には言えない苦しい時期を乗り越えられた理由を聞くと、「持って生まれたポジティブ耐性のおかげです」という。

 「なんとかなるさというか、そこでこと切れてしまわなかったのが今の私につながっているんじゃないかなと思います。『明日になれば』のスカーレット・オハラ(「風と共に去りぬ」)ではないですが、大変なことがあっても、この一日さえ乗り越えればと、前に進んできました」

 今年57歳になり、子育てが一段落した現在も、新刊を発売するなど挑戦を続けている。前向きに年を重ねる君島さんに、改めて30代を振り返ってもらった。

 「30代は、人生の基礎作りの時期でした。29歳までは芸能界にいて、結婚と同時に社会人としての勉強が始まったんです。みなさんより10年ぐらい社会勉強が遅くなってしまいましたが、すべてが初めてという事も多かったので逆に新鮮な気持ちで取り組めましたし、自分のペースで学ぶことができたのはありがたかったなと思います」

<プロフィル>

 きみじま・とわこ 1966年5月30日、東京生まれ。高校在学中に「JAL沖縄キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。1986年、女性誌「JJ」(光文社)のカバーガールを務め、同誌で専属モデルに。のちに舞台、テレビなどを中心に女優として活躍。結婚を機に芸能界を引退。2005年、二十数年に及ぶ美容体験をもとに、化粧品ブランド「FTC(フェリーチェトワココスメ)」を設立した。現在はテレビや雑誌などで活躍しながら、自身のSNSで飾らない等身大の素顔を見せている。

*……「アラ還十和子」では、君島さんの美を支えるポリシー、“おうちごはん”のレシピや愛用の掃除グッズなどを公開。仕事や家族、友達への思い、生き方などを素直な言葉でつづった。年齢を重ねてもなお輝き続ける理由をひもとく。A5判、144ページ。1760円。

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