石田ゆり子：「とてもつらく、勇気のあること」　福島第1原発の事故を描いたNetflix作品に出演

　俳優の石田ゆり子さんが5月30日、東京都内で行われたNetflixシリーズ「THE DAYS」（6月1日から世界独占配信）の「ワールドプレミア舞台あいさつ」に主演の役所広司さんらと出席した。2011年に起きた福島第1原子力発電所の事故を実話を基に描いたドラマ。石田さんは「このことをドラマにして残すということは、とてもつらいことですし、勇気のあることですが、本当に意味があることなんだなと思います」と語り、「この作品に参加できて本当に幸せだと思っています」とかみしめた。

　ドラマは入念なリサーチに基づき、政府、会社組織、原発所内で事故に対峙する者たちという三つの異なる視点から事故を描いた。主人公となる福島第1原発の所長を役所さんが演じた。全8話。

　石田さんは行方不明になる原発の運転員の母を演じた。一足早く同作を鑑賞した感想を「すごいものを見てしまったな、と思いました」と告白。続けて「自分たちが出ているにも関わらず、台本を読んでいるだけではわからなかったことが映像になると本当にこんなことがあったんだ（と思った）。そしてそれが事実に基づいているということが本当に胸に迫りました」と話した。

　「ほとんどせりふはないんです。ただ、せりふはなくても心の中にいっぱい言葉が詰まっていて、口には出さないけどものすごく密度の濃い祈りみたいな感じでした」と説明。「みなさんも同じだったと思います」と前置きしつつ、「祈るような気持ちで、濃く、重たい時間を過ごしていました」と撮影を振り返った。

　この日は、竹野内豊さん、小日向文世さん、小林薫さん、遠藤憲一さん、増本淳プロデューサー、西浦正記監督、中田秀夫監督も出席した。

　役所さんは第76回カンヌ国際映画祭で、最優秀男優賞（主演映画「PERFECT　DAYS」）を受賞したばかり。MCから祝福の言葉をかけられると「ありがとうございます。昨日帰ってきました」と笑顔を見せ、「みなさんの応援がカンヌまで届いていました。ありがとうございます」と感謝していた。