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第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。今回は俳優の黒木瞳さん。アラサー時代の思い出や、30代をより輝かせるためのアドバイス、6月16日公開の映画「魔女の香水」(宮武由衣監督)などについて聞きました。(全3回の1回目、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)
黒木さんが出演する「魔女の香水」は香水をテーマに、一人の女性の成長を描く物語。黒木さんは「魔女さん」と呼ばれるミステリアスな香水店の店主・白石弥生を演じ、夢を失いかけた派遣社員・若林恵麻を香りの力で華やかな未来に導いていく。監督・脚本は同作が劇場映画3作目となる、宮武由衣さんが務める。
「脚本を読んだとき、香水がテーマというのはめずらしいと思いましたね。企画の段階から、女性が元気になれる映画を作りたいとお話をいただいていたので、演じることを出演前から楽しみにしていました」と、黒木さんは話す。
「魔女の香水」で黒木さんは役作りのために、初めて白髪のウイッグをつけて演じた。初のグレーヘアは最初不安だったものの、「これは宮武監督からのお願いでした。弥生はグレーヘアのイメージだと。私も監督のイメージに合う人になりたいと思っていたので挑戦しました。ご覧になる方に楽しんでいただければいいなと思います」と語る。
弥生が恵麻に授ける“香り”とともに、九つのメッセージが登場する。それらを劇中で語ることは演じる黒木さんにとっても、心を揺さぶる体験だったと明かす。
「弥生のせりふを言いながら、“なるほどな。こういうことを言える人生を送ってきた人なんだろうな”と客観的に感じましたし、私もこういう女性になりたいと思いました。女性たちの背中を押せるようないいせりふがこの作品にはたくさん散りばめられています。映画を見た女性たちが元気になってほしいですね」
◇メンターは夫 香りの力で日々を豊かに
「魔女さん」は、20代の恵麻の背中を押し、明るい未来に導くメンター的な存在。そんな弥生を説得力ある演技で見せる黒木さんに、自身のメンターを尋ねると、「すぐには思いつかないんですけどね……」と少し悩んで、「一番身近な人でいうと、夫でしょうね」と言う。
「家でも普段からよく『どうしたらいい?』って仕事のことから子育てまで、なんでも相談しています。まあ、頼りになるようで、ならないようで、なるという感じです(笑い)。話を聞いてもらってすごく良かったこともありますし、ときには、え~?っていうようなときも(笑い)。ただ、話すことで問題が解決されることがありますし、ときには議論になることもあります。夫は典型的なA型で、理詰めで話しますから」とほほ笑んだ。
“香り”をテーマにした映画だけに、ゲランの「ミツコ」やエルメスの「オー・デ・メルヴェイユ」など、劇中には有名ブランドの香水がずらり。私生活でも香水を愛する黒木さんに、香りのパワーを感じる瞬間を尋ねた。
「香りは日々つけています。甘い香りが好きなのですが、つけると自分の匂いだと感じられて落ちつくんです。ただ今回の映画にはいろんな香水が出てきますので、私も弥生のメッセージと香りの力で、日々を豊かにできたらいいなと思います」
<プロフィル>
くろき・ひとみ 10月5日生まれ。福岡県出身。1981年に宝塚歌劇団に入団し、月組トップ娘役として活躍。映画「化身」(1986年)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「失楽園」(1997年)で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。「破線のマリス」「仄暗い水の底から」「東京タワー」「終わった人」など数多くの映画に出演。近年は映画監督として4作品を手がけ、舞台演出も手掛ける。
*……映画「魔女の香水」/上司のセクハラに抗議し、職を失ってしまった派遣社員の若林恵麻(桜井日奈子さん)は、「魔女さん」と呼ばれる白石弥生(黒木瞳さん)の香水店を訪れる。店で働くことになった恵麻は、弥生に授けられた言葉と香りによって、天職を探し求めるように香料会社で働き始める……というストーリー。