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家族との良好な関係作りのヒントを、著名人に聞く。今回は、サッカー元日本代表で、2018年に俳優の高梨臨さんと結婚した槙野智章さんに聞いた。
◇ほどよい距離感がちょうどいい 「いいライバル関係を築ける、理想の妻」
槙野さんは昨年、現役を引退。現役時代は、試合や合宿で家をあけることも多く、今はテレビの仕事などで全国を飛び回る日々を送っている。
「臨ちゃんも撮影でいないときがあるし、僕たちの結婚生活には、ほどよい距離感がいつもある状態。24時間一緒にいることがないのが、2人にとってはちょうどいいのかな。きっと、毎日ずっと一緒にいると、彼女が僕に疲れちゃう(笑い)」
槙野さんにとって、表舞台で仕事をしている高梨さんは「理想の妻」だという。
「夢や目標を持って仕事をしている彼女にひかれているし、お互いのやることをやりつつ、できるところは支え合って、刺激し合って、いいライバル関係を築けている。これが僕がのぞむ夫婦関係です」
料理以外の家事は基本的に全部、槙野さんがする。
「夫婦間でのルールはなく、気づいたらやることになっていて、料理はできないので臨ちゃんにやってもらうけど、それ以外は僕が全部やっている。僕はきれい好きなので、彼女とは片づけの基準も違うと思います。昔から、遠征などで家をあけることが多く、泊まりに行く前は必ず家をきれいにして出掛けていた習慣があったので」
◇「ごめんね」より「ありがとう」 円満の秘訣はチームスポーツで培った空気を読む力
「けんかはほとんどしない」と言いつつ、「僕が怒られているのに気づいていないだけかも」と笑う。そんな槙野家のルールは、「『ごめんね』より『ありがとう』を言おう」ということ。
「『犬の散歩に行けなくてごめんね』ではなくて、『散歩に行ってくれてありがとう』と言う。ただ、感謝の言葉も毎回言っていると薄くなるのか、最近は『言われ過ぎて飽きた』って冗談で言われることもあります(笑い)」
家でもテレビ出演時もテンションが変わらないという槙野さんの、夫婦円満の秘訣(ひけつ)を聞くと、「奥さんが上に立ってたほうがいい」ときっぱり。
「うちのランクは、今は臨ちゃん、犬、僕の順です。自分の立ち位置を分かったうえで行動するといいんです。普段、家にいないからこそ、いるときにできることをやるとか」
槙野さんは「チームスポーツをやっていたので、空気を読むのはうまい」という。
「コミュニケーションとか、チームビルディングとか、長年プロの世界で経験してきました。どのタイミングで誰が言うのかがすごく大事で、そういう観察力は研ぎ澄ましています。気づいたことがあれば、言葉とタイミングを選んで伝えています」
空気を読める槙野さんも、交際して間もない頃には、サプライズプレゼントで失敗したことがあると振り返る。
「臨ちゃんに20数万円するデニムをプレゼントしたんですが、好みじゃなかったようで1回も履いてくれませんでした。その失敗が今につながり、欲しいものを一緒に買いに行っています」
◇デートをかけた1試合2ゴールの約束 今は一緒にいられる時間を大切に
もともと、高梨さんとは、偶然、同じ店に居合わせたのが出会い。最初から結婚を意識していたという。
「彼女はサッカーに興味がなく、僕がサッカー選手だということも知らなかった。話のテンポや笑うツボが同じで、僕は彼女の第一印象がすごくよかった。また会いたい、ご飯に行きたいと思ったので、『2点取ったら食事に』と僕から提案しました。次の試合で2点取ったんですが、17年間プロでプレーして、1試合で2ゴールしたのはその試合だけ。気合が入っていました」
その後、交際がスタートし、今年、結婚5周年を迎えた。
「今は高級車を買うより、2人でおいしいものを食べる、おいしいお酒を飲むなど、記憶として残ることにお金をかけたい」という。
将来の夢は、Jリーグ、そして日本代表の監督になること。その夢がかなうとき、おそらく夫婦で一緒に生活することが難しくなると予想する。
「チームは選べないので、離ればなれになることが増えると思います。だからこそ、今、一緒にいられる時間を大切にしないといけない。2人で働いているけど、結局、家を守ってくれるのは臨ちゃん。奥さんをリスペクトして、立てる夫。それが僕にとっての理想の夫像です」
<プロフィル>
まきの・ともあき 1987年5月11日生まれ。広島県出身。プロサッカー選手として、Jリーグ、ドイツ・ブンデスリーガでプレーした。日本代表としては、サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場した。2018年に俳優の高梨臨さんと結婚。2022年に現役引退。現在は解説者のほか、社会人サッカークラブ「品川CCセカンド」の監督を務める。