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俳優の柴咲コウさんが5月20日、東京都内で行われた映画「蛇の道」(黒沢清監督、6月14日公開)の完成披露舞台あいさつに出席した。本作は日仏共同製作で、全編フランス語で撮影。フランス語をまったく話せなかった柴咲さんは、クランクインの半年前から不定期でレッスンを始め、3カ月前になると「このペースでは間に合わない」と集中的に取り組んだという。「『この日本人のフランス語は聞き心地悪い』と思われるのは嫌だったので、ちゃんと合格点をもらえるよう重ねていくしかないと思った」と必死に語学を勉強したことを振り返った。
共演した西島秀俊さんは、撮影現場でフランス語を話す柴咲さんを目撃。「最初からスタッフとフランス語で話されていて『え? 話せるんだ』って思っていたら、『実はこの作品のために勉強した』と聞いて驚いた。僕から見たらナチュラルに話されていたので、相当努力をされる方」と脱帽の様子。さらに初日から「現場にもなじんでいた」と明かすと、柴咲さんは「それでかなりハードルが上がってしまって。フランス語を話せる人だと思われちゃって……」と焦ったという。
本作は、黒沢監督のセルフリメイク作品。愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナールさん)が、パリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子(柴咲さん)の協力を得ながら犯人を突き止め復讐(ふくしゅう)することを生きがいに、殺意を燃やしていく。そして次第に真相が明らかになる……というストーリーが展開される。
柴咲さんは役作りのため、クランクイン前に渡仏し、現地生活を体験した。「クランクインのちょっと前に行けばいいのかもしれないけど、“付け焼き刃感”が出たら嫌だなと思って、1カ月前に入ってアパートを借りた。マルシェでお野菜を買って、トコトコ歩きながら、玄関の扉を開けてキッチンで料理を作るってことを毎日した。1カ月かけてなじんでいった感じでした」と語った。
黒沢監督とは本作が初タッグ。「どちらかというと自立した女性の役を演じることが多いけど、今回はミステリアスな女性だった。ただ、たたずまいが凛としている。フランスで10年くらい住んでいて働いている自立した女性ということで、私を選んでいただけたのかな」と分析。黒沢監督は、柴咲さんについて「動きがすごくどう猛というか、『バトル・ロワイアル』(2000年公開、深作欣二監督)を超えたのでは。柴咲コウはこんなに動けるのかって。それは必見に値する」とアピールした。
舞台あいさつにはそのほか、青木崇高さんも参加した。