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ドラマ「あぶない刑事(デカ)」(通称・あぶ刑事)シリーズの最新作となる映画「帰ってきた あぶない刑事」(原廣利監督、公開中)に謎の美女、ステラ・リー役で出演している俳優の吉瀬美智子さん。プライベートでは10歳と7歳の2人の娘の母である49歳の吉瀬さんが、仕事とプライベートなどについて語った。(前後編の前編)
◇50代目前「今できることを全力で」
現在、連続ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)にも出演中の吉瀬さん。映画やドラマの話題作にひっきりなしに出演しており、プライベートの時間など取れないのかと思いきや、「帰宅したら仕事は持ち込まないようにしているので、家に帰ったら勝手にプライベートと切り替わりますね」と自然と切り替えができているという。
それには「2人の娘の存在も大きい」といい、「家に帰ったら『お疲れさま』と飲み物を持ってきてくれたり、気を使ってくれたりして、居心地の良い空間を自宅に作ってくれています」と感謝する。
娘たちは「私が出演した作品に興味を持ってくれている」といい、「励みになります」とうれしそうに語る。
あるとき、学校の夏休み中に撮影が入る作品への出演オファーがあった。「『お母さんがこれに出たら夏休みなくなっちゃうけどいい?』と娘に聞いたら、『ママのこの役は絶対に見たいからやって』と。それで引き受けたこともあります」と明かす。
「娘は『夏休みはいらない。どこにも行かなくていい』と。パイロットの役だったので、ママは絶対に大変だから断りたかったんですけれど(笑い)。娘はその作品(2022年にテレビ朝日系で放送されたドラマ『NICE FLIGHT!』)を見て、『私、パイロットになりたい』と言い出したこともありましたね」と振り返る。
吉瀬さんは、「影響力があるんだなと思うと、良い影響を与えられる役をやっておかないと、と思いますね」と母の顔で語る。
現在49歳。「どんな50代にしたいか」と尋ねると、「あまり先のことは考えないようにしているんです。いつ何が起こるか分からないから、日々を楽しもうというふうに近ごろは考え方が変わったので。50代は、日々一生懸命、今できることを全力でやりたいです」と語った。
◇「あぶ刑事」では謎の女性役 毛皮のコートを着こなし「凜として姿勢良く」
吉瀬さんが出演した「帰ってきた あぶない刑事」は80年代から続く人気ドラマの8年ぶりの新作映画だ。
「あぶない刑事」は、横浜を舞台に、タカ(舘ひろしさん)とユージ(柴田恭兵さん)演じる刑事コンビの活躍を描いた人気シリーズ。1986年から日本テレビ系で連続ドラマが放送され、劇場版は1987年公開の第1弾「あぶない刑事」を皮切りに、これまで7作品が公開されている。
今作への出演が決まり、「若い時に見ていた作品に関われるということと、しかも映画で一緒のスクリーンに収まることができることに、すごく興奮しました」と話す吉瀬さん。撮影初日は「ガチガチに緊張した」という。
「舘さん、柴田さんにお会いして、『ああ、本物だ』って(笑い)。スターのオーラがすごすぎて、とても緊張しました」
舘さんも柴田さんも70代だが、「むしろ今の方が色気があるんじゃないか」というぐらいカッコ良かったという。「ご本人たちは『体力落ちたよ』って言うんですけれど、お二人共、スーツ姿でサングラスをかけて、しかもあのスマートさ。それでいてバイクにご自身で乗って、全力疾走をして、昔と変わらないアクションをされている。本当に貴重な存在ですよね。誰も代われない」とその存在感に舌を巻く。
吉瀬さんが演じる謎の女性ステラ・リーは、チャイニーズ風のドレスに毛皮のコートをエレガントに羽織った姿が印象的だ。
「とにかくあの毛皮を着こなさなくてはいけない。衣装に負けないように、凜(りん)として姿勢良く、ヒールが似合う女性に、と考えて演じました。しかも、お二方にとって気になる存在にならなくては……。舘さんは、『あの毛皮はなかなか着こなせないよ』と言ってくださいました。褒め言葉だと私は受け取ってます(笑い)」
最後に、吉瀬さんは今作に出演できたことは「本当にご褒美ですね」と実感を込めて語った。