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NHKの朝の情報番組「あさイチ」(総合、月~金曜午前8時15分)の「“白髪対策決定版2025” 黒髪に戻る!?研究最前線も」(4月放送)に出演した美容ジャーナリストで毛髪診断士の伊熊奈美さん。自身も20代後半から白髪に悩まされてきたという伊熊さんに、すてきにグレーヘアへと移行する方法や自分でできる白髪染めの極意などについて聞いた。
◇トップモデルも多くが白髪で悩んでいた
「あさイチ」で放送した「白髪対策決定版2025」では、「視聴者1000人から届いた、“白髪10大知りたい”にどんどん答える」と銘打ち、「5日色落ちしない!ボリュームアップもかなう!最新グッズ」「白髪なのに目立たない!?洗髪方法」「美容院で“白髪ぼかし”オーダーのコツ」「自宅で染めるポイント」「ヒャダインが語るグレーヘアから黒髪へ」などを紹介した。
番組には、この回だけで2100通のメールやファクスが寄せられた。伊熊さんは「皆さんの関心の高さに驚きました。白髪のケアって、次第に増えてくるということと、黒と白が混ざるところに難しさがあるんですね。美容室でオーダーすることと、自分でやるケアをバランス良く、上手に自身のルーティンにすることが必要だと思います」と呼びかける。
伊熊さん自身も「実は20代の頃から白髪があったんです。ずっとヘアカラーで普通に染めてたんですけれども、40代前半で頭皮に染みることが気になってきたんですね。髪の毛に対してのダメージも気になりますし、頭皮へのダメージもすごく気になったんです」と振り返る。
「その頃、ちょうど毛髪診断士という資格を取ったこともあって、雑誌の撮影の現場に行くと、女性誌のページを飾るようなトップモデルさんたちも白髪ケアについて悩んでいるという話をされていました。取材を深めていくうちに、今の時代なら美容室でプロの技術を利用しながら、その後の伸びてきたところは、つなぎとしてのホームケアで補っていくのがいちばん持続可能なケアだな、というところにたどり着いたんです」
◇グレーヘア進化形とは
白髪が増えてくると、毎回染めるより、いっそのこと白髪を生かしてグレーヘアにしたいと思う人もいるだろう。
伊熊さんは「今でもまだ染めていないとちゃんとしていない人と見られる、という声もやっぱりあります」と社会の風潮を認めつつ、「結局、自分が心地良くいられる髪かどうかということ。今、グレーヘアは一つのヘアスタイルですので、気負わずに、(グレーと黒髪を)行ったり来たりも自由自在に楽しんでいただければなと思いますね」と呼びかける。
移行期に使うと便利なのは「ヘアカラートリートメント」だという。「すごくマルチに使えるアイテムなんです」と太鼓判を押す。
「というのもカラートリートメントの色持ちは10日程度で永久には定着しないから。これで染毛剤で染めた部分と伸びた部分の境目をぼかしながら、ある程度まで髪を伸ばします。髪が伸びたら染毛剤で染めた部分をカットして、カラートリートメントも使用をやめればグレーヘアの完成です」
さらに、「グレーヘアは、ただ”染めない”というだけではありません。例えば今、山口智子さんや熊谷真実さんらがされているようなハイトーンの白髪染めもグレーヘアスタイルの一つではあるんです。黒髪よりも白髪が増えてきたときに有効な方法で、暗い色に染めるのではなく、むしろ白髪の明るさに近づけるという考え方。そういったグレーヘアの進化系のようなヘアスタイルだったら、すごくおしゃれに見えます。グレーヘアがベースだけど、ちょっと手をかけてあげると、また新しいおしゃれの発見につながるかなと思いますね」と“進化形”も紹介する。
◇グレーヘア移行期に便利なアイテム 効果的な使用法は?
番組では、カラートリートメントを使った白髪隠しの方法を視聴者モデルが実践しながら紹介。乾いた髪につけると色がしっかり染まること、1回にピンポン玉三つ分ほどの量を使い、染める前にラップの上などに全量を出しておくこと、塗ったらシャワーキャップなどをかぶり、使用法に書かれているより長めに(15分ほど)湯船につかるなどをして、定着させることでカラーが長持ちする方法が紹介された。
慣れれば全行程30分ほどでできるといい、これによって、体験した視聴者は「16日間ほど美容院に行く間隔を遅らせることができた」と語った。
普段は植物性のヘナを使って髪を染めている伊熊さんも「実際、私も髪の根元の“つなぎ”にはヘアカラートリートメントを使っています」と話す。
◇髪の美しさとは「健康が土台にある」
伊熊さんの朝のルーティンは「朝起きたら頭皮の保湿をしてからブラッシングする」ことだという。
「ブラッシングのコツは、筋肉のある場所を意識すること。頭皮には三つの筋肉があって、側頭筋と後頭筋と前頭筋。サイド、後ろ、前にあるんです。その部分の筋肉から動かしていって頭頂部に持って行くという感じです。最初に保湿美容液をつけてから、側頭部をブラッシングしたあと後頭部をちょっと上向きにやって、そのあと前頭部を。ブラシを頭皮に置いてぴたっと当てたまま、小さな円を描くように行うといいです」
美容ライターとして取材して記事を書くこともある伊熊さん。髪の美しさとは「健康が土台にある」と語る。
「バランスの良い食生活と運動習慣で頭皮の血流を良くすることが大切です。育毛=頭皮マッサージ、のように思われがちですが、まずは頭皮の前に体全体を動かすこと。もし肩こりがあれば、まずはそこをほぐすことも必要です。巡りを良くし、血流が良くなった状態から頭皮マッサージをやった方が、圧倒的に効果は高まります」と呼びかけた。
<プロフィル>
いくま・なみ 美容ジャーナリスト、毛髪診断士指導講師。美容記事を中心に、女性誌の編集・執筆に25年以上携わる。特にヘア分野では多くの取材経験を生かし、生活者視点の美容メソッドを提案。イベント、講演等にも出演する。著書に「いい白髪ケア、やばい白髪ケア」(小学館)など。