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アイドルグループ「乃木坂46」を卒業後、俳優としてさらに活躍の場を広げている山下美月さん。人の「執着」を題材にしたミステリーホラー映画「火喰鳥を、喰う」(本木克英監督、公開中)では、ヒロインの夕里子を演じている。ドラマ、映画と話題作への出演が続くが、自身は芸能活動に執着はない……? 山下さんに今作の役作りや、自身の生き方について話を聞いた。
◇水上恒司&宮舘涼太の間で揺れ動く
原作は、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞した原浩さんの同名小説(角川ホラー文庫)。主人公・久喜雄司(水上恒司さん)のもとに、戦死したはずの祖父の兄から謎の日記が届き、その日を境に、雄司と妻の夕里子(山下さん)の周囲では不可解な出来事が頻発。久喜夫妻は、超常現象専門家・北斗総一郎(宮舘涼太さん)を迎えて事件の真相を探ろうとするも、衝撃的な真相に直面する。
出演オファーを受けた際、まず思ったのは「どうやって実写化するのだろう?」という疑問。「火喰鳥(ヒクイドリ)を本当に連れて来るのかなとか(笑)。作品の根底にある“薄気味悪さ”も作ろうと思って作れるものじゃない、どう表現するのか気になりましたが、本木監督をはじめスタッフの皆さんのお力で素晴らしい作品に仕上がりました」
一見難解に見える物語だが「人の執着や愛、嫉妬といった誰にでも起こり得る感情がテーマ。自分自身の延長にあるお話としても捉えられると思います」と説明。人間の奥底に潜む普遍的な感情が作品の核だと強調する。
山下さん演じる夕里子は、夫の雄司と、大学の先輩・総一郎との間で揺れ動く。「その三角関係から生まれる執着を引き金にして、いろいろな事件が起きていきます。ただ私は自分から大きく動く役ではなく、2人のアクションに引っ張られる“受け”の立場でした」と振り返る。役作りも「現場でお二人のお芝居から感じたものを受けて、流れのまま演じました」と自然体で臨んだ。
作品のテーマにちなみ、自身が執着しているものを聞くと「仕事ですね」と即答。「いただいた仕事はやり切りたいし、妥協もしたくないです」と力を込める。
一方、最近は仕事以外の時間も大切にしている。特にハマっているのが旅行。多い時は月に3回旅に出ることもあるという。「仕事があまりうまく進まなくなった時、誰も自分を知らない場所に行きたい、日本のエンタメを摂取しなくていい場所に行きたいとなって、ここ1、2年で海外も行き始めました。気分転換になり、帰国後は仕事も頑張れますね」とにっこり。
「一日休みをいただけたら地方に行って神社巡りをしたり……結構アクティブに動いています。一日家に居ることはほとんどないですね(笑)」と明かした。
◇化粧品検定1級目指し勉強中
10月クールのドラマ「新東京水上警察」(フジテレビ系、火曜午後9時)にも出演し、さらに今年はあと2本公開予定の映画が控える。各方面に引っ張りだこだが、芸能活動を「天職だと思うか?」という質問に、意外な答えが返ってきた。
「全然思っていないです。占いで一番向いていない仕事が芸能人と出たくらい(笑)。芸能活動って“風のように流れている仕事”だと思うのですが、自分はそういう仕事が苦手って占いに出て、性格的にも確かにそうだなと。正直、5年後も続けている実感がないです。でも、たしか5年前もそう思っていたのに続けているので、ずっと続けていくかもしれないし、別の道が見えてくるかもしれないし……でも今は、このお仕事で20代を全力で駆け抜けたいです」
多忙な合間を縫って、英語の勉強や資格取得にも励んでいる。特に美容への関心が強く、日本化粧品検定1級・2級を勉強中だという。「学生時代はニキビや肌荒れに悩み、美容には昔からずっと関心がありました。自分が一番お金をかけているのも美容。将来的にはこれまで得た知識を発信するような仕事もできたらな」と新たな夢も口にする。
「火喰鳥を、喰う」では、人の執着から生まれる怖さを演じた山下さん。自身は仕事も趣味も楽しみながら、軽やかに自分らしい道を探し続けている姿が印象的だった。