映画「新解釈・幕末伝」に出演し、取材に応じた広瀬アリスさん
福田雄一監督の最新作でムロツヨシさんと佐藤二朗さんがダブル主演を務める映画「新解釈・幕末伝」(公開中)に出演している俳優の広瀬アリスさん。初参加の福田監督作品での衝撃の登場シーンやお気に入りのキャラクター、今年はどんな1年だったかなどを聞いた。(前後編の前編。後編は2026年1月公開予定)
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◇登場シーンは全身タイツ 「ノリノリでやるのは私ぐらい」
「“福田組”は本当に豪華なキャストで、その中で演じられるのがすごくうれしかった」という広瀬さん。今作では、ムロツヨシさん演じる坂本龍馬の妻・おりょうを演じている。
「おりょうは、なかなかパンチのあるキャラクターだったので、ちゃんとエネルギーチャージして臨まなければと思っていました。元気に演じられるようにご飯をしっかり食べて撮影に行っていました」
全身タイツでの登場シーンもインパクト大だ。
「あれをノリノリでやるのは、たぶん私ぐらいだと思うので、思い切って『私が適任だ!』ぐらいの気持ちでやりました。全身タイツのシーンは、撮影の一番最後の日だったので、それまではわりとおとなしめに、女性らしさを意識してやっていましたが、最後にあれで弾けてオールアップで(笑)。すごく気持ちよく、すっきり撮影を終えられました」
演じたおりょうについては、「名前は知っていたけど、詳しくはなかった」という。
「圧倒的に強い女性で、かっこいいなって思いますね。龍馬さんに対して、女性らしさはもちろん、強さがとにかくあります。それこそ怒鳴るシーンとかは思い切ってやるけれど、龍馬さんと2人のシーンの時は母親のような、抱擁感みたいなものはしっかりあるので、キャラクター的にブレないように、いろいろバランスを取りながら演じました」
◇お気に入りは新撰組の3人 「絶妙なやりとりが大好き」
ムロさん演じる坂本龍馬、佐藤二朗さん演じる西郷隆盛をはじめ、幕末に活躍した人物を、史実に基づきながら“福田流・新解釈”で描く歴史喜劇。その面白さをこう語る。
「私は歴史があまり得意ではなくて、映画の冒頭にもあるように、坂本龍馬とか西郷隆盛って名前は分かるけど、何をした人なのかって正直この年になってもちゃんと分かっていないんです。今回の新解釈は『まあ、こんなんだったんじゃないか』というのがすごく伝わりやすいストーリーです。
福田監督が脚本も書いてくださったので、今どきな言葉を使いながら話を進めていくっていうのもすごく面白かった。きれい事だけを描くわけでもないのがいいところで、それぞれの人物の人間らしさも感じられて、自分が撮影に参加していないパートは『えーそうなんだ!』と思いながら見ていました。まさに歴史を学んでいる学生の方でも、大人でも、あんまり堅苦しく考えずにラフに楽しめると思います」
広瀬さんのお気に入りキャラクターは、松山ケンイチさん演じる土方歳三、小手伸也さん演じる近藤勇、倉悠貴さん演じる沖田総司の「新撰組」の3人。
「撮影の初日だったらしいんですけど、松山さんがすごく肩をぶん回していたと聞きました。あんなにはじけて演じるのはなかなか見ないし、福田作品ならではの3人の絶妙なやり取りが大好きでした」
◇30代に入り教師役が増えた 「大人の階段を登ったと実感」
2025年を振り返ってどんな年だったか聞くと、「よく働いて、疲れました」とぼそり。
「今まで言ったことがなかった『あと5歳若かったらな……』が出てくることがあって、それだけめちゃめちゃ頑張ったと思える1年でした。今撮影している作品は、春から稽古(けいこ)を重ねていて、役作りも含めたら約1年がかりで取り組んでいます。今年は、いろいろバランスを取りつつやろうって思いながらも、かなり駆け抜けた1年になりました」
現在31歳。「30歳になってから突然、教師役がすごく増えた」という。
「『いよいよ私もそんな年齢になったんだな』って。もうすっかり中堅というか、大人の階段を一歩登ったとすごく実感しました。来年もマイペースに、心も体も健康第一でやっていきたいです」
<プロフィル>
ひろせ・ありす 1994年12月11日生まれ、静岡県出身。2008年、俳優として活動をスタート。2009年、「ミスセブンティーン2009」に選ばれ、雑誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルを務めた。連続ドラマ「明日の光をつかめ」(2010年、フジテレビ系)、映画「銀の匙 Silver Spoon」(2007年)、ドラマ「探偵が早すぎる」(2018年、日本テレビ系)、映画「地獄の花園」(2021年)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023年)、連続ドラマ「なんで私が神説教」(日本テレビ系、2025年)などに出演。
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