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俳優の松嶋菜々子さんが、1月8日にスタートするドラマ「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で主演を務める。タイトルの「コメ」とは、“税務調査最後の砦(とりで)”といわれ、“料”の米へんをとってそう呼ばれる東京国税局資料調査課のこと。今作で松嶋さんは、エリート集団を率いる東京国税局の風変わりな敏腕国税調査官の主人公・米田正子(よねだ・せいこ)を演じる。「黒縁メガネと肩掛けバッグに、不敵な笑み。時折つぶやくシニカルな独り言。これまでにない新たな松嶋菜々子さんが演じる正子」とプロデューサーの浜田壮瑛さんが期待を寄せる正子の役作りについて、思い描く理想の“女性リーダー”像などについて、松嶋さんに聞いた。
◇黒縁メガネは「カチッと見えるように」とこだわって選んだ
「おコメの女」は、「コメ」の中に新設されたドラマオリジナルの部署「複雑国税事案処理室」(通称ザッコク)が舞台となる。松嶋さんは隠れエリート集団のザッコクをとりまとめるリーダー、正子の役作りのため、髪をショートにして、黒縁メガネをかけイメージを一新した。
髪形について、松嶋さんは「実はガラッと変えたという感じは自分では持っていなくて。映画『藁の楯』(2013年)でSPの役を演じた時も、だいぶ短く切りましたし、髪形を変えることは私の中でそんなに大きなハードルじゃないんです」と話す。
「最近は着物を着る役が多かったこともあって、結果的に長い髪でいることが多かったのですが、私自身は実はショートヘアが結構好きなんです。今回は短くできるなと思って、張り切って切りました」と笑顔で語る。
今回の正子役は「あまり自分の容姿に手をかけているキャラクターにはしたくないなということから、容姿をシンプルに仕上げたかったので、お風呂から上がって、早く支度ができる髪形って何だろうと考えた結果、ショートがやっぱりいいのかなというふうに思いました」と話す。
ショートにすると自身の生活も楽になったという。「やっぱりシャンプーの量も少なくなるし、乾かす時間も短くなる。髪を乾かした後、シャシャッと手でオイルをつけて、手を洗っておしまいみたいに」と時短に役立っているという。
黒縁メガネ姿はあまり見せたことがなかったが、「正子のキャラクター作りの一環として、メガネをかけててもおかしくない年齢なので、リアルな役作りの一要素としてありかなと。形は少しカチッと見えるように、こだわりました」と語る。
私生活では自身もメガネをかけているというが、「自分でかけているのは、もうちょっとファッショナブルな感じといいますか」と明かした。
また、タイトルにかけて、正子は米が好きという設定だが、松嶋さん自身の“お米”に対するこだわりを聞いた。
「やはりお米は日本人にとって一番なじみのある食ですよね。昨今、太りたくないので炭水化物抜きなんて話も根強く聞きますが、お米はパワーの源でもあり、若さの秘訣(ひけつ)にもなったりします。腹持ちもいいですし、私自身、朝はお米を食べています」
そして、「銘柄のこだわりはそこまでないんですが……」と前置きしつつ、「好奇心が旺盛な方なので、いろんなものを試しています」と語った。
◇50代の女性リーダー「怖いものがなくなって伸び伸びとできる年代」
今作は「ドクターX」や「緊急取調室」などのヒット作を生み出してきた同局の“木曜午後9時枠”に「新たなヒロイン誕生」と銘打たれている。
このことについて尋ねると、「やはりプレッシャーには感じました。人気枠での放送なので期待に沿えるように頑張らなきゃという思いと、リアリティーとエンターテインメントのバランスがうまくとれるといいなという自分に対するプレッシャーなど、いろんな意味での責任の重さを感じましたね」と語る。
松嶋さん自身の「ザッコク」のリーダーとしての正子のイメージは「この年齢(松嶋さんと同世代の50代)で、このポジションになっているということは、男性社会で女性がすごく頑張っていた時代に、結果を出してきた人なのかなと。強さ以外にも、柔軟性や受け入れる力も必要だったように思います」と分析する。
「50代まで半世紀も生きてきますと、怖いものが少しなくなってくるというか。気持ちにも余裕が生まれて、いい意味であきらめもありつつ、でも、もうちょっと頑張ろうと思える。(マイペースで)伸び伸びと過ごせる年代で、まだ仕事もバリバリできる年齢。だからこそ正子を通して、もっとゆとりを持って楽しく生きていいんだよ、ということを伝えたかったです。キャリアや人生経験に自信を持って、この先も、よりパワフルに生きてほしい。そんな思いが伝わったらうれしいです」
松嶋さん自身、「部下を率いて、力強くやりましょうと推し進めていく正子の姿勢はすごく見習いたいと思います」と、女性リーダーとしての理想の姿を見いだしている。「ザッコク」のメンバーたちを率いることについては、「正子がそれぞれの個性を尊重しながら、彼らの持っている一番優れた能力を発揮させるのは、すごく理想的じゃないでしょうか」と目を輝かせる。
◇“座長”としては「安定していることが一番大事」
“座長”としてザッコクのメンバーを演じる俳優たちに対しては「引っ張らなくてもどんどん前へ進んでくださるベテランの方々ばかりなので、むしろ、こちらこそよろしくお願いしますという気持ちなんです(笑)。私の役割としては、自分自身が良いコンディションで元気に現場に入るというのが一番かなというふうに思っています。もし、私が体調を崩すと、心配かけたり、気を使わせてしまうので、そこは、自己管理をきちんとやっていきたい部分です。スタッフ、キャストの皆さんそれぞれが、個々の力を発揮してくださっている現場なので、その中で私は常に安定していることを一番大事にしていきたいです」と力を込めた。
最後に今作について、「税務関係と聞くと、私自身あまりなじみがなかったんですが、実は身近じゃないようで、意外と身近な部署でもあるんです。このドラマには、実際にあった脱税エピソードも盛り込まれているので、なるほどこれはダメなんだとか、こういうことをしている人もいるんだな、と少し実用的な視点も含めて見ていただけたらうれしいです。とにかくエンターテインメントなので、スカッと解決する爽快感も楽しんでもらいたいですね」とメッセージを送った。