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注目映画紹介:「ベルリンファイル」 朝鮮半島のスパイ戦をベルリンを舞台に描くところが新鮮

 「冬ソナブーム」が訪れる少し前の2000年に公開され、大ヒットした韓国映画「シュリ」(1999年)。その主演俳優ハン・ソッキュさんが、14年ぶりにスパイ映画に出演した「ベルリンファイル」(リュ・スンワン監督)が13日に公開される。ベルリンを舞台に展開する、韓国と北朝鮮の諜報員たちの熾烈(しれつ)な攻防。「チェイサー」(08年)や「哀しき獣」(10年)などで知られるハ・ジョンウさんが、ソッキュさんと対峙(たいじ)する北朝鮮の秘密工作員を演じている。

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 北朝鮮諜報員ジョンソン(ジョンウさん)は、アラブ組織との武器取引を韓国国家情報院のエージェント、ジンス(ソッキュさん)に察知され、辛くもその場から脱出する。なぜ情報が漏れたのか? 疑心暗鬼になる中、ジョンソンは、妻ジョンヒ(チョン・ジヒョンさん)に二重スパイの嫌疑がかけられていることを知る……。

 北朝鮮と韓国のスパイ戦を、ベルリンを舞台に描くところが新鮮だ。加えて、両者の攻防のみならず、ロシア人の武器ブローカーやイスラエル情報局モサドらを登場させることで人間関係が重層的になり、ストーリーの深みが増した。台本執筆中に金正日総書記が死亡したことで、三男・正恩氏へ政権移譲されたことなど、現在の北朝鮮情勢が反映されている点も興味深い。とはいっても、話が複雑過ぎて置いてけぼりをくらうことはない。アクションも盛り込まれているため、エンターテインメント作品としても楽しめる。アクション重視のハリウッドのスパイ映画では知的好奇心が満たされず物足りないという人には、打ってつけの作品だ。脚本、監督は「クライング・フィスト 泣拳」(05年)や「相棒 シティ・オブ・バイオレンス」(06年)などで知られるスンワン監督。13日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌の編集、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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