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「大人のおしゃれ手帖」(宝島社)6月号の表紙
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「大人のおしゃれ手帖」(宝島社)6月号の表紙

大人のおしゃれ手帖:40~50代向け女性誌が好調 お手本は桐島かれん

 この春、創刊された40~50代の女性向け月刊ファッション誌「大人のおしゃれ手帖」(宝島社)が好評だ。20万部を発行した創刊号は発売後1週間で書店での実売率が80%を超え、完売店が続出。約16万部を販売し、4月に発売された5月号も好調な売れ行きを見せている。同誌は女優の桐島かれんさん、原田知世さん、鶴田真由さんらを“お手本”とし、若作りではない「年齢なりのすてきな女性」を提案している。西山千香子編集長に、同誌が目指す“大人のおしゃれ”について聞いた。

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 「大人のおしゃれ手帖」は、「モテ」とは一線を画したナチュラルテイストのファッションや暮らしの提案で幅広い世代に支持され、実売19万9795部(日本ABC協会2013年下半期)の月刊誌「リンネル」(同)から誕生。同誌の読者の中でも高い年齢の世代から「自分たちにジャストな雑誌がほしい」という声が上がり、創刊された。2012年5月から不定期刊行誌として計6冊発行され、3月7日に月刊化された。

 ◇お手本は地に足がついている女性たち

 創刊号の表紙を飾ったのは、今年50歳を迎える桐島さんだ。桐島さんは、39歳で4人目の子供を出産し、49歳となった昨年、自身がプロデュースするセレクトショップをオープンした。同誌で「時間的な余裕ができたのは、本当にここ最近」と語るほど、これまで子育てに没頭してきたという。

 桐島さんは、同誌が不定期発行されていた際にも2度、表紙を飾ったアイコン的存在。西山編集長は「家庭と向き合う時間を長く過ごされ、一方で自分の暮らしのセンスを変わらずに持ち続けていらっしゃる。きれいで知的でアクティブで、尊敬できる大人の女性」と評し、「日常の暮らしを一番大切にしながら、私たちが憧れるような仕事もしている」と目指すべき女性像として位置づけている。

 創刊2号目の表紙は原田さんが飾り、7日に発売する3号目では鶴田さんが表紙モデルとなった。不定期刊行の時代には小林聡美さん、大塚寧々さんが表紙に登場した。いずれも40代半ば以上の女性たちだ。その魅力を「年齢うんぬんという存在ではない。大人だけれど透明感がある」といい、それを手本にして「重ねた年の分だけすてきな人を目指しましょう。若作りはやめましょう」と提案している。

 ◇「加齢は個性」がコンセプト

 西山編集長は、同誌を「『加齢は個性』がコンセプト」と語る。「(加齢に)あらがいたい気持ちは誰しもある。でも40代半ば~50代になってきたら、無理して逃げててもね……」といい、「若く見えるという切り口よりは『感じがいい人』に見える」ことを目指したケア法やメーク法などを提案している。

 そんな同誌が提案する40~50代の女性のファッションは「上質な日常のカジュアル。シンプルな中にじょうずに個性を光らせる」ことがポイントという。年齢を重ね、「自分の存在がアクセサリーに負けなくなってくる」からこそ、「色柄のはっきりしたもの」「エスニック調などの個性的なもの」を身に着けることができるといい、「大ぶりのバングルを三つぐらい重ねるのがおすすめ」という。また、20代のころと比べると丸みを帯びる体形をすっきりと見せるために首、手首、足首を出し、「すっきり感を出すことも重要だ」と話している。

 ◇好感度は「気にしない」 普通の毎日を大切に

 「モテや20代の自分と変わらない美しさ、他人からの好感度を気にするか」と聞くと、西山編集長は「しないですね」ときっぱり。「リンネルから変わらない、『日常を大事に』という点ですべてを考えている。特別な日より普段の日の方が圧倒的に多い。普段着をおしゃれにするとか、普段の暮らしを去年の今日よりちょっとよくする。そうすれば幸せな時間も長くたくさん味わえる」とこだわりを語った。

 その結果、読者は、ターゲットとして想定した40~50代だけでなく「60代にも広がっている」といい、好調の理由を「これまで暮らしにフォーカスした月刊誌がなかったからじゃないでしょうか」と分析した。

 <プロフィル>

 西山千香子(にしやま・ちかこ)。1969年、兵庫県生まれ。JRAをへて、2000年に宝島社に入社し、パソコン本、語学教材、ムックなどを手がける。08年から「リンネル」「リンネルHome」など、ナチュラルなファッションや暮らしのムックシリーズ14誌を手がけた。「リンネル」は10年に月刊化し、同時に編集長に就任。現在は、同社の第5編集部長で、「リンネル」と「大人のおしゃれ手帖」の編集長を兼任している。

 「大人のおしゃれ手帖」……40~50代の日々の暮らしを大切にしたい知的な女性に向け、ファッション、食、健康などの情報を提供する。7日発売の6月号は、すっきり見える普段着のほか、鎌倉の特集や正しいウオーキングなどを紹介。付録は着物店「くるり」とコラボしたポーチ。

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