女優の木村佳乃さんが出演する連続ドラマ「罪人の嘘」(WOWOW)が、31日からスタートする。ドラマは、伊藤英明さん演じる大手法律事務所に勤める悪名高い高級弁護士・笠原卓也の栄光と闇を描いたリーガルサスペンスで、木村さんは笠原の幼なじみで医者の松本康子を演じている。「とても面白くて一気に台本を読みました」と語るドラマの見どころや、共演者との舞台裏などを聞いた。
「罪人の嘘」は、映画「ヘヴンズ ストーリー」「感染列島」の瀬々敬久監督が手がける初の連続ドラマ。脚本は映画「ヘルタースケルター」の金子ありささんが担当。裁判に勝つためなら手段を選ばない弁護士・笠原(伊藤さん)を主人公に、「人が人を裁く」ことの意味を問う作品で、笠原とは対照的な人情派弁護士・楠之瀬正志を滝藤賢一さんが演じ、やがて2人は難事件を巡って法廷で争うことになる。
木村さん演じる康子は、笠原と兄・省吾とともに児童養護施設で育ち、現在は医師として小さな診療所に勤めている。康子について、木村さんは「両親がいなくて養護施設で育って……という生い立ちで結ばれた3人の絆を大切に生きている心優しい女性」と評し、「途中でグレそうになったりもしますが、周囲に流されることのない芯の強い部分もあります」と分析する。
また、法廷シーンなど緊迫した場面が多い作品にあって、康子の存在は「少しほんわかできると思います。ドラマに登場するのが男性ばかりなので、箸休め的なところもあるかも」と木村さん。台本は「面白くて一気に読みました。引き込まれて夢中になった」というが、「非常に緻密に練られていて、『この先がどうなるんだろう?』と展開が読めないところが魅力。一見、難しそうなドラマだと思われるかもしれませんが、私でもハマったので、女性の方も楽しんで見ていただけると思います」と興奮気味に語る。
さらに、「伊藤さんと滝藤さん演じる対照的な弁護士が出てくるのも見どころ。伊藤さんの役どころの笠原にいろいろな出来事が起こってどんどん変わっていくので、そこにも引き込まれると思います」と紹介する。主人公の伊藤さんとは「今回が3度目の共演」という木村さんは、伊藤さんについて「すごく信頼している俳優仲間の一人」といい、「また一緒にお仕事できるのが楽しみだった」という。
実際、再び共演してみた印象を「また立派になられたな、と。伊藤さんは座長らしい座長で、スタッフの方みなさんにも気を配っていらした」と絶賛する。撮影はすでに終了しているが、「撮影の中盤で伊藤さんが食事会を開いて、焼き肉をみんなにごちそうしてくださったんです。『明日からまた頑張ろうね』って、みんなの士気が高まりました。私も、それまでなかなかお話する機会がなかったスタッフの方とも打ち解けることができて、本当にありがたかったです」と感謝の言葉を口にする。
「それから、私が2人の子供の母なので、伊藤さんがとにかく『食べろ、食べろ』って」と食事会を振り返って笑いつつ、「『子育ては大変だろう』って。優しい方なんですよね。普段は子供たちに食事をあげて、私は残り物みたいなものばかり食べているんですが、そのときはやたら食べさせられた思い出があります」と笑顔を浮かべる。一方で、初共演となる滝藤さんとは“小さな子供を持つ親”という共通項があるという。
「撮影中に滝藤さんに女の子が産まれたんです。上に男の子が3人いらして、初めての女の子。うちの子供は2人とも女の子なんですが、洋服やバウンサー(ゆりかご)など女の子グッズをお譲りしたりして……」とパパ、ママで子育てを通じて交流したという。また、「奥様が出産された病院が私の家の近所だったので、産後2、3日後に『お疲れだろうから甘いものを……』とお届けに伺ったんです。看護師さんにお渡しして失礼するつもりだったんですが、病室に通されてしまって。滝藤さんもいらっしゃらない中、奥様とも初対面なのに新生児を抱かせていただきました。でも奥様がとても明るい方で、滝藤さんにはこういう奥様がいらっしゃるんだなと思いました」と柔らかい表情で語った。
ドラマ「罪人の嘘」はWOWOWプライムで31日から毎週日曜午後10時に放送。全5話で、初回は無料放送。
<プロフィル>
きむら・よしの 1976年4月10日生まれ。幼少期にロンドンとニューヨークで暮らし、英語が堪能。モデル活動を経て、96年にドラマ「元気をあげる 救命救急医物語」(NHK総合)で女優デビューした。その後、数々のドラマや映画に出演。また日本の観光広報大使(2004年)などの観光大使も務める。10年に少年隊の東山紀之さんと結婚。11年に長女、13年に次女を出産。WOWOWのドラマWには「CO 移植コーディネーター」(11年)に出演。公開中の映画「ホットロード」に主人公・和希(能年玲奈さん)の母親役で出演している。