都幾川温泉。角質をとりのぞく効果が期待できるので、保湿はしっかりと

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朝香：日本の名湯　日本一の強アルカリ温泉　都幾川温泉

2014年11月11日　13:30

　都幾川温泉（埼玉県ときがわ町）の「旅館とき川」は、旅館という名ながら、日帰り入浴のみ。それも1日のうち、午前11時～午後3時の「昼の部」が2組、午後4～8時の「夕の部」が2組の1日4組限定というぜいたくさ。まだ創業10年ほど。以前のオーナーは宿泊可能な旅館として営業していたが、今のオーナーになってからは日帰り入浴のみに変えたという。

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　訪れると着物を美しく着こなした女将（おかみ）が出迎えてくれ、丁寧に部屋や風呂の案内をしてくれる。個室と岩風呂は貸し切りでトイレと廊下のみが共有スペースとなっており、他の客に会うことはほぼない。

　湯は日本一の強アルカリ泉といわれており、高校の教科書「高校化学1」（実教出版）に記載された。体にしっとりとまとわりつくような湯は、無色透明で、角質を落とす効果が期待できる“美肌の湯”だ。広い脱衣所と岩風呂は他の客に気兼ねなく使うことができる。また飲泉も可能で、湯上がりには冷やした温泉水をそそいだ切り子のグラスを女将が部屋まで運んでくれる。

　源泉かけながしで、源泉温度が低いため加温はしているが、加水や循環ろ過などは一切していないという。客数を限定しているのは限りある資源である源泉を大切にしているからだというオーナーの話からは、温泉そして客に対する思いやりが伝わってくる。

　湯上がりにユズを使った月替わりの薬膳料理の数々を堪能したあと、窓から差し込むうららかな日の光に包まれた部屋で横になって目をとじ耳をすますと、聞こえてくるのは木々の葉のさざめきとうぐいすの鳴く声だけ。日常を忘れてしまう。なんというぜいたくな時間なのだろうか。

　あわただしい現実を忘れてくつろぎがほしい人に、ぜひ訪れてほしい温泉だ。

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