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写真2:「よく母を食事に連れ出します」という三浦理恵子さん(右)とお母さん (C)PRODUCTION OGI
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写真2:「よく母を食事に連れ出します」という三浦理恵子さん(右)とお母さん (C)PRODUCTION OGI

三浦理恵子の美容ライフ:第66回 人生のデトックス「終活」を考える

 東京にも桜の季節がやってきました。桜を見るとなぜか心が浮き立って、何かを始めたくなる季節でもあります。そんな時にお話ししたいのは「終活」です。最近、よくこの言葉を耳にしますが、皆さんは考えたことありますか?

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 ◇楽しく生きていく手伝いをしたい

 私が「終活」を考え始めたのは、母のことがきっかけです。70代の母はまだまた元気ですが、娘としてそういうことに目を背けているのが本当の思いやりなのかなと考えるようになったのです。

 親もいつかはいなくなるものですよね。悲しいけれどそれが現実です。いなくなってから考えるより、一緒に思い出を話しながら片づけたり、これからの母の人生を充実した楽しいものにできるように、娘として手助けをしたいと思いました。

 まずは家の中から始めようと、母と一緒に家の片づけをすることにしました。

 押し入れの奥の方にある箱を出してみたら、両親が若い頃の夫婦の思い出の品が出てきたり、私達、娘の学生時代の思い出の品とか……。大切にしまってくれていたことにうれしくて涙したり……。小さな幸せをたくさん見つけることができます。

 大事にしまい過ぎていたなあと。本当に大切なものに囲まれて生活してほしいと、改めて思いました。

 ◇親と向き合う時間

 片づけをやり始めてみると、私が子供の頃に使っていた食器が出てきたり、「これでよく麦茶を飲んでたなあ」みたいな思い出がよみがえったり、キレイなお客様用のグラスが残っていたりして、「私もコレは取っておいてほしい」って言うと、「あなたは昔からこのグラスが好きよね。これはお母さんと親戚のおばさんが一緒にデパートに行っておそろいで買ったのよ」と、その品にまつわるエピソードを聞けたりして、いろんな会話ができました。

 ちなみに写真に写っているのは、3、4歳の頃、祖母に浅草で買ってもらった、お風呂で泳ぐカッパのオモチャ。こんな物まで取っておいてくれました。(写真1)

 そんなものたちを見て、家族がちゃんと向き合う時間を改めて作ることが大事だと思いました。

 実家の2階には私と姉が使っていた部屋があって、その半分は私のアイドル時代のかさばる衣装や写真、ポスターでいっぱい。その部屋を広く使ってもらうためには、まず、私が片づけをやらなきゃいけないんですが……(笑い)。

 ◇母がノートに書いたこと

 以前母が「10年日記を買ってみたんだけど、10年書けるのかどうか迷ったの。3年にするか、5年にするか迷ったけど、10年にしたのよ」って言ったことがありました。その時、母はそんなことを考えたり、思っているんだ……と、初めて知った瞬間でした。

 母は友達の多い人で「終活について、みんなで明るく話すのよ」と言っていました。母は前向きに楽しんで、これからの人生に向き合おうと思い始めたんだと思いました。

 私自身、そんな話聞きたくないとか、寂しいとか、子供の心情で目を背けていました。でもそれは違いますよね。今を楽しく充実した生活にする応援をしようと決めました。

 ある日、ノートに「延命治療はしないでください。幸子」と書いてあり、「ここに書いてあるからね~」と明るく言われました。はじめはびっくりしましたが、そこも家族で話し合っておかなければならないことですよね。例えば臓器移植の意志があるのか……とか。自分で選択できる時代だからこそ、自分のことも家族のことも理解し合うために大切だと思いました。

 ◇生活のデトックス

 その10年日記はたぶん、あと2、3年。また新調するときは一緒に選びに行こうと思います。

 終活=断捨離=デトックス! 美容と健康にも匹敵します。常にすっきりした状態でいることが、精神的にも前向きにしてくれる。

 今はモノがあふれているし、なんでも簡単に手に入れることができるかもしれないけれど、大事にできずに部屋の端っこの方でほこりまみれになっているものもすごく多いと思うんです。でも、ものにも魂が宿るし、人が住んでいない部屋ってものたちが死んでいくというか、そこを動かしてあげることで気持ちも変わりますよね。

 親からすれば「なんで今なの?」って思うかもしれないけれど、今が一番若いんだから、率先して断捨離をしましょう!

 たまには家族写真を撮るのもいいと思うんです。みんなでオシャレして、プロの方に撮ってもらうとか、誕生日などに、プロの方にヘアメークもしてもらって写真を撮ることをプレゼントするのもいいと思うんです。そういう親が楽しいことのお手伝いならいくらでもできますからね。

 ◇終活は究極の目標

 私はしょっちゅう母を食事に連れ出します。「いつあなたに誘われてもいいように、おなかの中を健康にしておかなきゃ! おいしいものと、おいしいお酒が飲めるのは健康な証拠ね」って。それって生きている幸せだし、最低限キレイにして出かけることは女性にとって必要な時間ですよね。(写真2)

 「終活」というと悲しいことのように思いがちですが、こうやって生きていきたい! という究極の目標です。美容も同じですが、10年後のキレイでキラキラな自分をイメージして、人生で一番若い今! 始めることです。

 今を……そしてこれからを、自分らしく生きる方法を家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。

 心も体もキレイになって、毎日キラキラしましょう! できることは今からスタートですよ!

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