映画「天空の蜂」で映画初出演を果たした松島花さん
女性ファッション誌「Oggi(オッジ)」(小学館)の専属モデルの松島花さん(26)が映画初出演を果たした東野圭吾さん原作の「天空の蜂」(堤幸彦監督)が全国で公開中だ。日本最大の超巨大最新鋭ヘリコプターを乗っ取り、原子力発電所に墜落させる原発テロを起こそうとする犯人と、その危機に立ち向かう人々との8時間の攻防を描いた同作で、愛知県警捜査1課の刑事、野村を演じた松島さんに撮影や、映画について聞いた。
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◇映像に興味を持ち事務所移籍 すぐオファーが
松島さんはモデル歴13年。映像の仕事に興味を持ち、所属事務所を移ってすぐの約1年前に、「天空の蜂」の出演オファーがあったという。当時を「まだ経験もないですし、演技というものが分からないからこそ『怖いもの知らずでできるかな』という気持ち。とにかく飛び込もうという気持ちだった」と振り返る。
ドラマに出演したことはあったものの、同作の撮影時、演技は「ほぼ初めて」。江口洋介さん、本木雅弘さん、仲間由紀恵さんらキャリアと人気を兼ね備えた俳優が多数、出演することも聞いており、「不安と緊張と、でもちょっとわくわくと……。とにかくやるしかないなという気持ちでした」と語る。
◇突然の尾張弁で「混乱」 先輩俳優から勉強も
「天空の蜂」では、超巨大ヘリを開発した設計士・湯原を江口さん、原子力発電所の設計士・三島を本木さんが演じている。松島さん演じる愛知県警捜査1課の刑事、野村は、手塚とおるさん演じる同課の刑事、高坂とコンビを組んで捜査にあたるという役どころだ。
役作りは、堤監督と衣装合わせの段階から行った。しかし撮影の数日前に、急に野村と高坂が尾張弁を話すことが決まり、「自分の中で作ってきた野村が方言が入ることによって一度、崩れてしまった」という。「冷静にするどくしゃべるという、標準語で作っていた部分が、尾張弁で柔らかい印象になってしまって……。柔らかくなり過ぎず、方言を入れなくてはいけないので、そこで混乱してしまった」と苦労を明かす。
撮影は手塚さん、江口さん、仲間さんとともにすることが多く、「休み時間は皆さんとリラックスしてコミュニケーションを取ることができた」と笑顔を見せる。先輩俳優の姿を「皆さんのカメラ前でのスイッチの入り方、瞬時の切り替えを間近で見られた」と学ぶところも多かったといい、中でも長時間、共に撮影した手塚さんについて「役を自分のものにしているところを間近で見て、素晴らしいと思いました」と語る。
◇原発テロを「本当の恐怖として感じる作品」
原発テロを描いた同作の映画化を聞いたとき「驚いた」という松島さん。作品の魅力を「フィクションだけど、今の時代、起こり得ないことではない。(映画での)恐怖を、本当の恐怖として感じる作品になっている」と語り、「それぞれのキャラクターの立場、人生などがある中で行われる(テロに対する)判断や、こういうとき自分はどうするだろうと考えさせられる点、犯人が見えないので心理作戦の部分が見どころ」と話した。
仕上がった作品を見て「(出演できたことは)振り返ってもすごいと思います」とまだ興奮冷めやらぬ様子。「1年前の自分(の演技)なので、今思うと正直、もっとああしたかった、こうしたかったと思うところもあります」と本音を明かしながらも、「そのときにできることは精いっぱいやりました」と笑顔で前を向いた。
次回は、女優挑戦のきっかけや今後のモデル業について聞く。
<プロフィル>
まつしま・はな。1989年8月5日生まれ。東京都出身。10代の頃からモデルを始め、30歳前後の女性向けファッション誌「Oggi(オッジ)」(小学館)の専属モデル務めている。2014年にスペシャルドラマ「キャビンアテンダント刑事」(フジテレビ系)で女優デビュー。15年の連続ドラマ「ミステリなふたり」(メ~テレ)でドラマ初主演した。
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