映画「レインツリーの国」で「Kis-My-Ft2」の玉森裕太さんと共演した西内まりやさん
モデルや歌手、女優など幅広く活躍する西内まりやさんが、「レインツリーの国」(三宅喜重監督、11月21日公開)で映画初出演を果たした。今作で西内さんが演じる人見利香は、高校生のときの事故で感音性難聴を患い、それから自分の殻に閉じこもっているという役柄で、「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)」の玉森裕太さんが演じる大阪出身の会社員・向坂伸行との交際を通して利香は次第に心を開いていく。西内さんに、自分の殻を破る演技の難しさや撮影エピソード、女優の仕事などについて聞いた。
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映画は人気作家、有川浩さんの小説が原作。主人公の伸行が、高校時代に好きだった本をネット検索する中で“レインツリーの国”というブログを見つけ、管理人のひとみ(西内さん)とメールでつながったことで次第に彼女に引かれていく……というラブストーリー。
今作で西内さんは、障害があり自分の殻に閉じこもっていたが、交際相手との交流の中で最後には殻を破って一歩踏み出す女性を演じている。西内さん自身、「実はとても人見知りの恥ずかしがり屋で、小学生の頃は授業参観で手を挙げることができない子だった」というが、13歳で上京し、芸能活動をする際に一緒に上京し共に暮らしている母親が「背中を押してくれる存在」だという。
「私にとって伸さんのような存在は母親ですね。何があっても変わらぬ愛でそばにいてくれる。その存在ってすごく大きいなって。母が言ってくれた言葉で忘れられないのは『神様は見てくれとるよ』ということ。一人で悩んで頑張っていても、神様だけは見てくれているから、努力していればいつか報われるし、頑張っていれば結果、いいことが起こる。その分、悪いことしたらそれも神様が見ているよという。それは言われ続けていたので、孤独じゃなかったし、その言葉の影響は大きかったです」と思いをはせる。
映画で伸さんを演じている玉森さんに対しては「優しくて穏やかなイメージの方なので、関西弁でぐいぐい引っ張るという伸さんの役を演じるというのは想像がつかなくて、すごく楽しみでした。現場には完璧に関西弁を(頭に)入れてきていたので、自然に関西弁をしゃべる方なのかなと思ったくらい」とその演技を絶賛。また「いろんなお仕事を並行してされている方ですので、歌やモデルの仕事をやっている私とも重なる部分があって。玉森さんの役者魂を見たときに私も気持ちが引き締まりました。真剣に女優として演じなければという思いで、とても刺激になりました」と振り返る。
2人とも人見知りで、「現場に入って、どっちが先にしゃべる?みたいな感じだったんですよ。(最後に撮影したクライマックスの)キスシーンはお互いに近いから目も見合えなくて『大丈夫ですか』『大丈夫です』って。最後まで敬語で、なかなか距離が縮まらない(笑い)」と劇中の2人以上に初々しい関係だったようだ。
利香役については「これまで学生ものだったり、恋愛ものでもコメディーテイストのものに出演してきたんですけど、今回のようにこんなにもリアリティーがあって、障害を抱えている女の子は初めてでした」といい、「生きていく上で本当に大事な人と人との支えとか、心の変化あるシーンが多かったので、本当に大切に演じなければ伝わらないですし、障害というものが薄っぺらくならないように演じなければならないというのがすごくプレッシャーにも感じました。だからこそ、演じられたらやりがいを感じるだろうなと思いました」と大切に演じたという。
今回が初の映画出演で夢がかなったというが、「演技って殻をやぶらなきゃいけない。現場って大人の方がたくさんいらっしゃって、その視線をすごく気にしてしまう。そこをいかに克服していくのかが私の長年のコンプレックスで」と明かし、「泣き芝居のときとか本当に緊張が抜けなくて何度も繰り返しながら、監督に『もう一回お願いします』って。監督は『もういいよ』と言ってくださったんですけど、納得いかなくて何度も撮り直してもらいました。やればやるほど、みなさんを待たせてる……とか考えちゃう。そこをいかに自分の世界に入り込んで演技をしてリラックスして役に入っていけるか。そこはまだまだ目標ですね」と前向きに語った。
映画は撮影順が台本通りではなく、「撮影の順番はバラバラで、時間をかけていろんな心情を自分でコントロールして作り上げなければいけない。それは思っていたよりも大変ですし、やりたいようにうまくできなくて悩むことも多い」というが、「やってみるからこそ映画を見ていただけのときよりも役の気持ちが分かったり、演じる役と同じような境遇の人のお話を聞いて、自分以外の人生を送れること。それがすごくやりがいを感じるところですね」と女優の仕事に手応えを感じている。
演技について「自分がいろんな形で表現できていろんな形で伝えることができるのがうれしくて、役になり切っても結局演じるのは自分だから、自分の感性が主になってくるし、一番大事なのは西内まりや自身がいろんな経験をしてどんどん伝えられる人間になっていくことが目標ですね」と前を向いた。
次回は、西内さんの休日の過ごし方や生き方について聞く。
<プロフィル>
1993年12月24日生まれ、福岡県出身。2007年、「ニコラ」(新潮社)の専属モデルとして活動を開始。10年から「Seventeen」(集英社)の専属モデルを務める。「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(08年、クリス・ワイツ監督)で日本語吹き替えを担当。「ONE PIECE FILM Z」(12年、長峯達也監督)では声優を担当し、「レインツリーの国」で映画初出演。ドラマは「正義の味方」(08年)に出演後、「スイッチガール!!」(11年)で初主演。「山田くんと7人の魔女」(13年)で主演、今年、「ホテルコンシェルジュ」でプライム帯で初主演を務める。14年には「LOVE EVOLUTION」で歌手デビュー。その年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した。今年5月にリリースした3枚目のシングルでは作詞・作曲に挑戦するなど多方面で活躍する。
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