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女優の尾野真千子さんが、動画配信サービス「Hulu」のオリジナル連続ドラマ「フジコ」(全6話、11月13日から配信)に主演し、殺人鬼役を体当たりで演じている。原作は真梨幸子さんのベストセラー小説「殺人鬼フジコの衝動」で、読後感の悪さから嫌な気分になるミステリー「イヤミス」といわれるジャンルに入り、映像化不可能といわれてきた。尾野さんも台本を読んで「むごい、ひどい、つらいの三拍子でとてもひどかった。正直、こんな衝撃的な役どころから自分を守りたいと思った」と出演を当初は躊躇(ちゅうちょ)したという。そんな役どころに挑戦した尾野さんに自身のこだわりや健康や美容で気を使っていることなどについて聞いた。
◇血のりを25リットル使い切った
ドラマは、一家惨殺事件の生き残りとしてトラウマを負った11歳の少女フジコは、「あたしは人生をリセットできる女」とつぶやきながら殺害を繰り返していく女性に成長する。誰が彼女の家族を殺したのか? また、なぜ彼女は殺人を繰り返すのか。愛への渇望か、幸せへの執着か……というストーリー。
役柄上、撮影で血のりを大量に使ったという。スタッフによると「制作会社の美術部史上最大の量」という25リットルをドラマ全体で使い切った。尾野さんは「それだけ使う作品ってないですからね。最近、血がドバッとかあまり見せられなくなっているじゃないですか。そういった意味では今回楽しかったです。まだこうやって使える場所があるんだって」といい、「血のりっていろんなところで売っているけれど、結構(価格が)高いんですよ。ハロウィーンの仮装でも汚れちゃうからなかなかそこまで血のりを付けないじゃないですか。だから、きっと血のりの会社も喜んでいる(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語る。
撮影後は「頭の先から足の先まで全身血のりまみれで、本当に取れないんです。指紋の間にまでしみ込んでいっちゃう。だからみんなでどうやって取るかっていうのをわいわい探ってました。私が最初にやったのはお風呂につかってふやかす(笑い)。でも何回洗っても髪の毛の間から(血のりが)が出てくるんです。だから撮影期間は自宅のお風呂場がしばらく汚かったですね」と苦労したという。
◇アイアンマンがトイレで守ってくれている
尾野さん自身、「すぐに飽きちゃうんです」とこだわりはあまりないそうだが、「アイアンマンのフィギュアだけはいまだに続いてますね」という。「3体しかないんですけど(笑い)。アイアンマンが好きなんですよ。一番この世の中で強いと思っていて。強いのに憧れているのでしょうね」と明かす。
今年、結婚した尾野さんは「アイアンマンのコーナーがいままで(部屋の中に)あったんですけど、結婚しまして、一緒に住む人ができたら置くところがなくて、今、トイレにいます。トイレで今、アイアンマンに守ってもらっている(笑い)」と語った。
◇昨日から酵素米に…
美容や健康については「特に体を動かすこともあまりしないんですけど……」と断った上で、「一度、(映画の撮影で)エベレストに登る機会がありまして、登る前に体力作りということで、インナーマッスル、体幹を鍛える運動をやりました。それに外側もきれいになればいいなと思って、ホットヨガっていうのもちょっとやって、あまり長くは続かないですけど、1カ月間くらいギュッとやりましたね」といい、今では「体幹を鍛える方はあまりしなくなりましたけど、ストレッチは家でたまにやることがあったり、ホットヨガは汗をかきたいときとか、二日酔いのときに行ったりします」と明かす。
食べ物では「玄米を取り入れるようにはなりましたね。ご飯を全部、酵素玄米にしたりとか。昨日からですけど(笑い)」といい、「酵素玄米に小豆が入っていて、それが酵素玄米が合わさることですごくいいと(説明書に)書いてあったので、おお、体にいいんだと思って。それも1日目より保温して3日目くらいが一番いいらしいんです。(ずっと炊飯器に入っていて)今、2日目で寝かしているところで、明日の夜食べるのが一番いいのかなと」と取材時、首を長くして楽しみにしていた。
次回は連続ドラマ「フジコ」での役に懸ける思いや撮影エピソードについて聞く。
<プロフィル>
1981年11月4日生まれ、奈良県出身。中学生の頃、河瀬直美監督に見いだされ、「萌の朱雀」(97年)で主演デビューを飾る。同作が第50回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞し、自身も他の海外映画祭などで主演女優賞を受賞。2007年、再び河瀬監督とタッグを組んだ「殯(もがり)の森」がカンヌ国際映画祭グランプリに輝き評価を高める。NHK連続テレビ小説「カーネーション」(11~12年)では主演を務める。主な映画出演作に「EUREKA ユリイカ」(01年)、「リアリズムの宿」(03年)、「クライマーズ・ハイ」(08年)、「外事警察 その男に騙されるな」(12年)、「探偵はBARにいる2」(13年)、「謝罪の王様」(13年)、「そして父になる」(13年)、「ニシノユキヒコの恋と冒険」(14年)、「ソロモンの偽証」(15年)、「きみはいい子」(15年)などがある。公開待機作に「起終点駅 ターミナル」(15年)、「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」(16年)、「エヴェレスト 神々の山嶺」(16年)、「後妻業」(16年)がある。