あなたにおすすめ
東京国際映画祭:綾瀬はるか、井上真央、米倉涼子がドレスアップ 芳根京子は振り袖、水原希子、河合優実、菊地凛子も
女優の広末涼子さんの主演映画「はなちゃんのみそ汁」(阿久根知昭監督)が、2016年1月9日に公開される。広末さんは、がんと闘いながら、娘にみそ汁づくりを通して愛情と強さを伝える千恵役を演じた。「女性として、母親として、共感する部分が多かった」と語る広末さんに、自身も「大事にしている」という食育について話を聞いた。 映画は、33歳の若さで、がんで亡くなった安武千恵さんが、5歳の娘と、夫、家族との日々をつづったブログを基にしたエッセーが原作。広末さんは、今回、演じた役どころについて「自分でも驚くくらい自然に感情移入ができました」と語る。「それってすごくまれなことで、どんな役でも少しせりふに疑問点があったり、自分と感情の発起点が違ったりすると、自分と照らし合わせて『私だったらどうだろう』と考えることが多いんですが、今回はそれがまったくありませんでしたね」と撮影を振り返る。
亡くなった千恵さんは、自分がいなくなった後も娘が暮らしていけるように「食べることは生きること」と、子供に料理を教えることで食事の大切さを伝えた。現在3人の子供を持つ母親でもある広末さんも、食事は「家族の絆だったり、母親の愛情だったりというのを一番ストレートに伝えられるものじゃないかと思っています」と共感。その上で役への自然な感情移入を「食育の部分でも共感する部分が多かったからなのかもしれません」と語る。
「正直、一人暮らしのときは仕事が第一で、自分で作ったものが食べられない、栄養が偏りがちな生活をずっと続けていました。でも家族を作ったことで、食事は体を作っているものだし、大切な生活のリズムにもなると、意識が変わりましたね」といい、食育について「今はずっと大事にしていることです」と思いを寄せる。
映画では、娘が母・千恵に教わった「わかめと豆腐のみそ汁」を作るシーンが登場。広末さんは「私もわかめと豆腐のみそ汁が好きなんです。偶然ですけど、千恵さんもよく作っていたらしくて。だから、いろんな意味で運命的なものを感じています」と笑顔を見せた。
みそ汁作りのこだわりを「子供から大人まで食べられるように、具材は小さく切りますね。もともと大きな具材がゴロゴロ入っているみそ汁があまり好きではなかったので、具材はあまり入れすぎないのが好みです」と話し、「信州の合わせみそを使っています」と家庭の味を明かした。
広末さんは、母親という立場から、千恵さんへの共感を明かした一方で、「きっとお子さんがいらっしゃらない方でも同じなんじゃないか(共感できる)と思います」と続ける。映画を見ると「『自分がこうやって育ててもらったんだなー』というふうに感じ入ったり、もし自分が子供ができたら『こういうふうにしてあげたいな』と思ったり」といい、「たくさんの人に共感してもらえる役なんじゃないかなと思っています」と自信を見せた。
次回は、共演者の印象や撮影の舞台裏エピソードを聞く。
<プロフィル>
ひろすえ・りょうこ。1980年7月18日生まれ。高知県出身。94年にCMでデビュー。95年、「ハートにS」(フジテレビ系)でドラマ初出演。97年、「20世紀ノスタルジア」で映画に初出演し、数々の映画賞の新人賞を獲得する。99年の日本アカデミー賞では、「鉄道員(ぽっぽや)」で優秀助演女優賞、「秘密」で優秀主演女優賞を受賞した。また2008年の「おくりびと」、09年の「ゼロの焦点」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を2年連続で受賞した。14年に「石榴(ざくろ)坂の仇討」と、「想いのこし」で日刊スポーツ映画大賞助演女優賞を受賞している。16年1月14日から主演連続ドラマ「ナオミとカナコ」(フジテレビ系)がスタートする。