「マギー」のワンシーン (C)2014 Maggie Holdings,LLC.All Rights Reserved.
アーノルド・シュワルツェネッガーさんの主演映画「マギー」(ヘンリー・ホブソン監督)が6日に公開される。今作はシュワルツェネッガーさん自らがプロデュースを手がけ、最愛の娘を守ろうとする父親の葛藤や家族愛などに焦点を当てた新たな試みのゾンビ映画だ。人々をゾンビ化させるウイルスがまん延する近未来を舞台に、シュワルツェネッガーさん扮(ふん)する父親がゾンビ化する娘を守ろうと苦悩する姿を描いている。
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感染するとゾンビ化する壊死性ウイルスが爆発的に流行する近未来の米国で、田舎の小さな町に住む16歳の少女・マギー(アビゲイル・ブレスリンさん)がウイルスに感染。感染者たちは社会から隔離された特別病棟に収容されることになっていた。感染の診断を下されたマギーは姿を消すが、父親のウェイド(シュワルツェネッガーさん)が捜し出し、娘を家族の元へと連れ帰る。しかし、マギーの苦痛に満ちた変化は徐々に進行していき、ウェイドは苦しむマギーを見守るしかないできずにいたが……というストーリー。
シュワルツェネッガーさんが初めてゾンビ映画に出演と聞けば、得意のアクションでゾンビをなぎ倒していくシーンを想像するが、アクションを封印し、ゾンビ化が進む娘を見守るしかない状況に追い込まれるという新境地に挑んだ姿に驚かされる。パワフルに物事を解決する役どころが多かったシュワルツェネッガーさんが演じているだけに、絶望感や無力感がひしひしと伝わり、最愛の娘を思って苦悶する姿には共感せずにはいられない。ゾンビというモチーフを扱いながらもグロテスクな演出はかなり控えめで、どちらかといえば難病に冒された大切な人を前に、人は何を思い、どう動くかというシリアスな人間ドラマ的な要素が強い。とにかく、シュワルツェネッガーさんはこれまで見せたことがない表情を見せており、その新境地は必見だ。6日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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