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「ごくせん」「デカワンコ」などで知られる森本梢子さんの人気マンガを基に、綾瀬はるかさん主演で実写化した映画「高台家(こうだいけ)の人々」(土方政人監督)が4日に公開される。綾瀬さんが演じるスケールの大きな妄想が趣味の女性会社員・木絵と、斎藤工さんが演じる人の心が読める能力を持つイケメンでエリートサラリーマンの光正の恋模様を、光正の家族も巻き込んだ騒動をコミカルに描く。
妄想が趣味で口べたな女性会社員の平野木絵(綾瀬さん)が勤める会社に、ある日、名門・高台家の長男である光正(斎藤さん)が転勤してくる。長身でイケメン、さらに祖母が英国人というクオーターで、東大卒、オックスフォード大に留学経験もあるという光正だが、まるで接点のない木絵をいきなり食事に誘う。木絵は驚くが、実は光正は人の心が読める“テレパス”であり、木絵の妄想をのぞくうちに引かれていったのだった。2人は順調に関係を深めていくが……という展開。綾瀬さん、斎藤さんのほか、高台家の面々を水原希子さん、間宮祥太朗さん、大地真央さん、市村正親さんが演じる。歌手の西野カナさんが主題歌「You & Me」を担当している。
もしも人の心が読めたなら……なんていうことを考えたことがある人もいるのでは。今作は、そんなテレパシー能力を持ったイケメンとヒロインのラブコメが展開していくが、人の心が読めるという興味の前に、綾瀬さん演じる木絵が繰り出す妄想の破壊力がとてつもない。ぶっ飛んだ内容もさることながら、斎藤さんがさまざまな衣装を披露してくれるほか、木絵の上司役で妄想世界にも登場するお笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雅さんが演じるキャラクターが秀逸で、油断していると思わず声を出して笑ってしまいそうになる。綾瀬さんのキュートなコメディエンヌぶりに時間を忘れて夢中になること必至だ。
恋物語としては王道の展開ではありながら、そこに特殊能力という要素が加わることで、能力者たちの葛藤や恋愛における悩みや衝突などを描き、じんわりと心にしみてくる。華やかさ満載のエンタメを楽しみつつ、人を好きになるということを改めて考えさせられた。4日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。