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女優の宮沢りえさんが主演を務めるWOWOWの「連続ドラマW グーグーだって猫である2-good good the fortune cat-」が11日、スタートする。2年前に放送された“シーズン1”に続き、少女マンガ界の巨星・大島弓子さんをモデルにした主人公・小島麻子を演じた宮沢さんに、ドラマや役への思いに加え、イッセー尾形さんや前田敦子さんといった“新顔”との撮影エピソードなどを聞いた。
◇再びの麻子役「カメラの前では自由に指先まで集中した」
「グーグーだって猫である」は、大島さんが飼い猫たちとの日常をつづった自伝的エッセーマンガ。コミックスの累計発行部数は80万部を突破しており、2008年に「手塚治虫文化賞」の短編賞を受賞。同年に映画化され、14年に宮沢さん主演で、WOWOWで連続ドラマ化された。今回の「2」は、2年ぶりの続編で、前作では描き切れなかったグーグーと過ごした15年8カ月間に起きた出来事を、原作の設定を基に構築したオリジナルストーリーが楽しめる。
主人公の麻子を演じるより前から、大島さんの作品の「大ファンで大好きだった」と語る宮沢さん。「イメージが“ふわっ”て頭の中で広がっていく小説的なマンガを描く、ずば抜けた才能を持った大島先生をモデルにした麻子という人物を演じるのはプレッシャーだった」と明かしつつ、「(犬童一心)監督が本当に大島先生のことをリスペクトしていて、自分が麻子を演じることを受け止めてくれた。毎シーン、薄紙を重ねるように撮影して、その重なったものがとても濃密な作品になった。こんなにせりふが少ないドラマってあるのかなって思ったりもしましたが、本当にやってよかったな」と前作を振り返る。
宮沢さんは、自身と役の麻子(または原作者の大島さん)とを比べて「葛藤と孤独を繰り返し、いい作品を作ると『次はもっと』という欲が出てくる。それが無限に続いていく人生という点では似ている」といい、「創作に向かう時のエネルギーと、そこから離れ、猫と会話をしている時との落差、その一定していない部分は演じる上での醍醐味(だいごみ)だったし、今回も『美しく、キレイに映る』ってことよりも、心から動かされる筋肉で顔が変わることが一番大事だなって思って。もうカメラの前では自由に指先まで麻子でいられるように集中していた感じですね」と充実感をにじませる。
◇イッセー尾形とは「湧き上る本物の感情のキャッチボールができた」
犬童監督が引き続きメガホンをとった「2」には、宮沢さんや長塚圭史さん、黒木華さん、田中泯さんといったおなじみのメンバーに加えて、麻子の新アシスタント・飯田役で前田敦子さん、刑事の賀川役でイッセー尾形さん、麻子の大学時代の同級生・智子役で西田尚美さんと個性的な“新顔”も登場する。映画「トニー滝谷」以来、12年ぶりとなる宮沢さんとイッセー尾形さんの再共演は中でも大きな話題で、宮沢さんも「イッセーさんは演劇人として憧れなので、その人と好きなことができるのは相当な“ご褒美”でしたね」と笑顔を見せる。
宮沢さんは静謐(せいひつ)な作品に仕上がった「トニー滝谷」での経験も「素晴らしかった」と前置きした上で、「今回は演出的にも制約が少なかったので、本番に湧き上る本物の感情のキャッチボールができて本当に面白かったです。役を超えたアドリブっていうのはなかったんですけど、自分たちが作った人物像の中で“脱線”していく道の幅広さにドキドキしましたし、常に味わい深い時間でした」と尾形さんとの再共演をかみ締めるように振り返った。
◇猫との撮影「5割がまぐれ」 前田敦子は「何者にもなれる可能性ある」
さらに宮沢さんは「イッセーさんはカメラとか一切考えずにかぶりまくる、好きなことしまくる。猫との撮影は5割が“まぐれ”でしたけど、イッセーさんの場合も猫と一緒(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語ると、「台本というスタート地点からゴールまで、だいぶ寄り道しながら行くっていうのがすごく楽しかったですし、毎日が刺激的でした」とうれしそうに話す。
一方で前田さんについて、宮沢さんは「何者にもなれる可能性のある人だと思います」と女優としての可能性を示唆。「今回はダサい格好しているんですけど、そういう部分もとても楽しんでいたし、どんな役でも楽しんでできるっていうのはすごく大きいこと。自分が可愛く映りたい、よく思われたいってどこかで思って演じている人はそこまでで、あっちゃん(前田さん)の場合は、例えばすっごい悪女の役が来たら、それこそ本番で“本当の悪女”になれる気がするんですよね」と評した。
ドラマは全5話。WOWOWプライムで11日から毎週土曜午後10時に放送。初回は無料放送。