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日本ホラー界の2大キャラクターが対決することで話題の映画「貞子 vs 伽椰子」(白石晃士監督)が18日に公開された。映画は、偶然“呪いのビデオ”を入手したことで貞子の標的となる女子大生と、“呪いの家”の魔力にとらわれ、伽椰子と俊雄の母子霊に脅かされていく女子高生を救うべく、霊媒師が貞子と伽椰子を戦わせて同時消滅させる秘策で対抗する様子を描く。女子大生の倉橋有里役でホラー映画初主演を果たしたモデルで女優の山本美月さんと、女子高生の高木鈴花役を演じるモデルの玉城ティナさんに話を聞いた。
◇「リング」と「呪怨」の「両方に出演できうれしかった」
「リング」シリーズの貞子と「呪怨」シリーズの伽椰子という日本ホラー界の2大キャラの“最恐対決”を描く今作。山本さんも玉城さんも「2人が戦うなんてどういうこと!?」と感じたといい、さらに「それよりも両方に出演できるというのがうれしかった」と山本さんは笑顔を見せる。
貞子と伽椰子の印象について、山本さんは「日本(のホラー界)を代表する2人という感じ。伽椰子の方は俊雄くんも有名で、伽椰子よりも俊雄くんの方が印象が強いぐらいのイメージ」と話すと、玉城さんも「ホラー嫌いな私でも貞子と伽椰子という存在を知っていたぐらい有名」とその知名度の高さに驚く。
ホラーものが「割と好きな方」という山本さんは、「リング」シリーズ、「呪怨」シリーズともに多くの作品を見たことがあるそうだが、ホラーが苦手な玉城さんは今作への出演が決まったことで見たといい、「勉強として見ましたが、貞子とか影だけでも怖いし、後ろにいるだけで怖くて、(見ている間は)終始怖かった」と振り返る。
◇叫ぶシーンのため「家で叫んでみた」
役作りでは「作品に入る前に何か特にすごく準備するということはありませんでしたが、(有里は)正義感も強く友だち思いの子だったので、現場では(友人役の)佐津川(愛美)さんとのコミュニケーションを意識して取るようにしました」と山本さん。一方、玉城さんは「日常生活ではあまり叫ぶことがないので、家で叫んでみました(笑い)」と明かし、「家で叫んでいたお陰もあってか、撮影ではうまく叫べたのでよかったです」と笑顔を見せる。
ホラー映画には絶叫シーンは付きものだが、「あからさまに全部をすごく怖がっていたら、ちょっと違うと思う」と山本さんは切り出し、「たとえば、貞子がだんだん近付いてくるにつれて呼吸も速くなってきて『キャーッ!』みたいな感じなど、そういうのを意識していました」と撮影時の取り組みを説明する。
映画で初共演を果たした2人。互いの印象を山本さんは「(玉城さんは)クールでお人形さんのようなイメージでしたが、実際に会うとすごく可愛らしくて、ちょっとシャイ」と表現し、「私のことをとても気にかけてくれて、私はまだ全然先輩だなんて思えないけど、先輩扱いしてくれるので癒やされます(笑い)」と喜ぶ。
玉城さんは、山本さんの印象について、「雑誌などで見ていて、すごく可愛らしい、というか笑顔が華やかなお姉さんという感じ」と切り出し、「話してみるといい意味でサバサバしていて、私にも気さくに話しかけてくれるし、すごく助かりました」と感謝する。
物語終盤での共演シーンでは、「クライマックスでは結構動きが多かったので、『次どっちに逃げるんだっけ?』というのはあった」と山本さんが笑うと、「はい。引っ張ってくれました」と玉城さんもうなずきながら話す。
◇帰宅後に全ドアを開ける玉城に「そういう人に“死亡フラグ”が立つ」
映画内のせりふにもあるように“呪いのビデオ”は都市伝説として登場するが、「小学校ぐらいのときに“トイレの花子さん”とかはあった」と山本さんが当時を思い返すと、「私の地元だけかもしれないのですが、“何歳までこれを覚えていると……”みたいなのはありました」と玉城さん。さらに山本さんが「手足を切られる“(トイレの)さっちゃん”……」と言いかけると、玉城さんは「怖~い!」と本気で怖がる様子を見せる。
都市伝説や心霊体験といったものを信じるかを聞くと、「信じられない」と山本さんは言い、「その人がすごく真面目に話していたらその温度で返しますが、心では信じてないです(笑い)」と本音を明かす。一方の玉城さんは、「結構信じちゃうのですが、それよりも、そういう話をなんでするんだろう、怖がらせたいのかなと思っちゃう」とホラーが苦手な人として切実の思いを語る。すると山本さんが、「怖がっている人を見るのは面白い」とちゃめっ気たっぷりな笑みを浮かべた。
これまで心霊体験などは「まったくなくて、いたらいいなとは思いますけど全部、科学で証明できるのではと思っちゃいます」とリアリストな発言をする山本さんに対し、玉城さんは「なんでもかんでも怖がっちゃうし、なんでもすぐ何かあるのではと疑ってしまう。隙間(すきま)が空いていてもすごく気になる」と真剣なまなざしで語る。
続けて、「家に帰ったら、全部のドアを一度開けてみないと落ち着かない」という玉城さんに、「そうやって開ける人が“死亡フラグ”が立つ(笑い)。テレビとか見ていても、なんで開けるのとか思う」とホラーもの“あるある”でツッコミを入れる山本さん。しかし、今作ではそんな2人がまさに劇中で“開けてしまう”と指摘すると、「そうそう(笑い)。『なんで見ちゃうの』『なんで家に入っちゃうの』と思う」と山本さんは楽しそうに笑う。
◇ホラーが苦手な人でも「アトラクション的に楽しめる」
今作の撮影現場での怖い話は「何もない」と残念がる山本さんが、「(佐津川さん演じる夏美の)おはらいシーンを撮影した場所が、なにか変な空気だと思って調べたら、心霊スポットでした」と告白。続けて、「昔、アメリカの兵士が……」と説明しようとすると、「嫌だ!」と玉城さんが制止する。そんな玉城さんだが、「撮影中は全然怖くなかったのでうれしかったです」と笑顔を見せる。
貞子と伽椰子が激突するクライマックスについて、「そういう手があるのねという感じ」と山本さんが不敵な笑みを浮かべれば、玉城さんは「びっくりしました」と感想をもらす。そして、「ほかに見たことがないような仕上がりです」と山本さんは自信をのぞかせる。
自身が演じる役の注目ポイントを、「ラストはもちろん、やっぱり親友との掛け合い」と山本さんは言い、「(ビデオを見て)貞子が現れて……というところが結構重く、怖いだけではなく、2人の人間関係が崩れていく感じとかもリアルに恐ろしいのではと思います」と語る。玉城さんは「呪いの家に鈴花が入っていくことで人生がすごく変わって、家族も含めいろいろ崩れていく。そこから心境を変えて立ち向かうというシーンは、私だったら多分できないことなので、鈴花はすごいと思いつつ、皆さんにも見てほしい」と力を込める。
ホラーが苦手な人に向けて山本さんは、「今までの貞子、伽椰子はお互いに人間性とかが出ていて、そこがあってしっとり恐ろしいみたいなのが大きかったかもしれません」と前置きし、「今回は驚かす要員として出ていてアトラクション的に楽しめると思うので、大勢でキャッキャッと見る分には、ホラー初心者も楽しめるのではないかなと思います」とメッセージを送った。映画は全国で公開中。
<山本美月さんのプロフィル>
1991年7月18日生まれ、福岡県出身。2009年に第1回東京スーパーモデルコンテストでグランプリを受賞。女性ファッション誌「CanCam」の専属モデルの活動とともに、映画やドラマCMなどにも出演。おもな出演映画に「桐島、部活やめるってよ」(12年)、「女子ーズ」(14年)、「東京難民」(14年)、「近キョリ恋愛」(14年)、「小野寺の弟、小野寺の姉」(14年)、「東京PRウーマン」(15年)などがある。16年には出演した映画「少女」の公開を控えるほか、17年公開の「ピーチガール」の主演が決定。7月からはテレビドラマ「HOPE~期待ゼロの新入社員~」(フジテレビ系)に出演する。
<玉城ティナさんのプロフィル>
1997年10月8日、沖縄県生まれ。2012年に講談社主催の「ミスiD(アイドル)2013」でグランプリを受賞し、12年1月からファッション誌「ViVi」の専属モデルを務める。14年にはドラマ「ダークシステム 恋の王座決定戦」(TBS系)でヒロインを演じ、15年公開の「天の茶助」(15年)で映画デビューを果たす。出演した映画「オオカミ少女と黒王子」(16年)が公開中のほか、写真集「ティNa EROス BY KISHIN」(小学館)が発売中。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)