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レニー・ゼルウィガーさんが崖っぷち女子を演じるコメディー映画の3作目「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」(シャロン・マグワイア監督)が、29日から公開される。前作から十数年がたち、43歳となったブリジットが、新たな出会いと元恋人との間で恋の板ばさみになる騒動記だ。
今やテレビ局の敏腕プロデューサーとなったブリジット(ゼルウィガーさん)は、独りぼっちの誕生日をロンドンで迎えていた。同僚の誘いで訪れた野外ロックフェスで、イケメンのジャック(パトリック・デンプシーさん)と出会い、うっかりベッドインしてしまう。数日後、再会した元恋人マーク(コリン・ファースさん)ともベッドイン。それから数カ月後、ダイエットをしているのにやせないブリジットは妊娠に気づき、大慌て。ジャックとマークに妊娠を打ち明ける……という展開。
楽天的でめげないヒロイン、ブリジット。1作目から15年もの月日がたち、おデブではなくなり、キャリアも得た。カラフルでごちゃごちゃしていて(でも、そこがブリジットにとっての居心地のいい場所という感じ)、ダサい赤とピンクの部屋着を着て、一人で自分の誕生日を祝う冒頭は、43歳の独身女のリアルな痛々しさを、ギリギリで笑いに持っていく。自分に甘くてドジなところは相変わらず。
そして、妊娠という笑えるかどうかの事態が発生。しかも、相手が分からない。出会ったばかりのIT実業家ジャックなのか、それとも、離婚協議中の元恋人マークなのか……。でもそんな問題にも、めげないところが彼女の持ち味で、2人に正直に告白してしまう。そしてやはり、トホホな笑いにつなげていくのだが、対照的な2人の男性が、未来のパパとして張り合う展開が大いに効いている。母親学級のようなところや病院にも2人でついてきて、周囲のカップルから浮きまくる。真面目なマークと明るく余裕のあるジャックのやりとりが、なんともおかしい。ところで、ブリジットはiPadで日記をつづるようになった。ロンドンの街にできた超高層ビルも映り込み、時代の流れも感じさせる。29日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。