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映画「デスノート Light up the NEW world」について語った川栄李奈さん
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映画「デスノート Light up the NEW world」について語った川栄李奈さん

川栄李奈:交差点の真ん中で名前書き「気分よかった」 映画「デスノート」で史上最悪の所有者

 映画「デスノート」シリーズの最新作「デスノート Light up the NEW world」(佐藤信介監督)が全国で公開中だ。「デスノート」は、大場つぐみさんが原作、小畑健さんが作画を手がけ、2003~06年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された人気マンガ。実写映画のほかテレビアニメや舞台、ドラマ化もされた。今作は2006年公開の「デスノート」から10年後を舞台に、名前を書かれた者が死ぬ「デスノート」を巡って、デスノート対策本部の捜査官・三島(東出昌大さん)、世界的な名探偵「L」の後継者・竜崎(池松壮亮さん)、キラの信奉者・紫苑(菅田将暉さん)という3人の男たちが争奪戦を繰り広げる。6冊あるデスノートのうち1冊の所有者・青井さくらを演じた川栄李奈さんに話を聞いた。

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 ◇原作ファンの多い作品「大丈夫かな」

 今作の出演オファーを聞き、川栄さんは「映画『デスノート』は小さい頃に見ていてすごく好きな作品だったので、この作品に関われることが本当にうれしかったです」と喜ぶも、「殺人する役というのはやったことがなかったので、どういう感じなんだろうと思った」と当時の率直な感想を明かす。しかし、「ちょっと怖い感じの映画は好きだったので、演じるのがとても楽しみでした」と撮影を心待ちにしていたという。

 原作をはじめ絶大な人気を誇る「デスノート」という作品に出ることについて、「原作があるものは本当にファンの方がたくさんいるので、大丈夫かなという気持ちはありました」と不安は感じていたが、「今回(演じている青井さくらは)オリジナルキャラクターだったので、佐藤監督から『こうしてほしい』と言われたことをイメージしながら撮影しました」と要以上に意識しすぎないよう心がけたという。

 台本を初めて読んだ際は、「私はあまり他の人と絡むシーンがなかったので、(現場では)皆さんのお芝居はあまり見られなかったので、どんな感じになるんだろうと思った」といい、完成した映像を見て、「皆さんお芝居がすごくうまくて、個性というか、キャラクターが本当に強くて、見ていて楽しかったです」と圧倒されたことを打ち明ける。

 ◇デスノートに名前を書く場面で…

 川栄さんは、ノートに名前を書くことで相手を殺すことができ、“史上最悪のデスノート所有者”という役どころを演じているが、「あまり作り込まずに本当に普通の女の子でいてください」という佐藤監督からの指示を受け、川栄さんは「普通の女の子がデスノートを拾ったらこうなるんだろうなということ」をイメージし、「(デスノートで殺人をするということに関して)特に役作りとかはしなかったです」と説明する。

 演じている間は、「わくわく感とか自分の思い通りになっていることが周りで起きていることに対しての優越感のようなものはありました(笑い)」と役の心情になりきり、「デスノートを持つのも初めてだったので、『すごーい!』という気持ちのまま撮影しました」と笑顔を見せる。

 川栄さん演じる青井さくらは、渋谷の街でデスノートを使って無差別殺人を起こすのだが、「エキストラの方も含めて何千人とか大掛かりで、実際に交差点を封鎖して撮影するなど迫力があった」と驚きつつも、「交差点のど真ん中で私が笑いながら(デスノートに名前を)書いているところは、本当に楽しいというか気分がよかったというか(笑い)。自分の思い通りになっている感じがよかったです」と手応えを感じた。

 今回は深く役作りをしないことがキャラクター造形につながっているが、役作りにおいて、「役作りというか、たとえば(NHK連続テレビ小説の)『とと姉ちゃん』ではお弁当屋さんの子供だったので、包丁の使い方などをクランクイン前から練習したりはしていました」と動きを軸にすることが多く、「妊婦さん役のときも動き方を教えてもらうなど見た目から入ります」と自己分析する。

 ◇将来の目標は「いろんな役ができる女優」

 今作をはじめ、ドラマや舞台と活躍の幅を広げている川栄さん。今後挑戦してみたい役には、「もともとこういうサイコパスみたいな(人物が登場する)映画がすごく好きなのですが、今回はそのあたりはあまり作り込まずに“普通”の子みたいな感じだった」と前置きし、「もし次に同じような機会があったら、今度はすごく作り込むようなサイコパスをやってみたいです」と思いをはせる。

 現在は女優として活躍する川栄さんだが、小さいころは「ケーキ屋さんになりたかった」と笑顔で明かし、その理由を「可愛いから」と説明する。そんな子供のころに夢中になったのはドラマだといい、「『1リットルの涙』(フジテレビ系)と『ヤンキー母校に帰る』(TBS系)が大好きでした」と思い出の作品を挙げる。

 今後は、「なんでもできる女優さんになりたい」と理想の女優像を掲げ、「『この人といえばこれ』というわけではなく、『この人っていろんな役ができるよね』といわれるような女優さんになりたいです」と目を輝かせる。

 ◇もしデスノートがあったら…

 東出さん、池松さん、菅田さんらとの共演について、「私の撮影が3日間ほどだったので、あまりお会いできませんでした」と川栄さんは残念がり、「東出さんと池松さんはお芝居でちょっと絡んでいて、菅田さんは映像でお芝居を見させていただきましたが、皆さんの個性が引き出されていて、どのキャラクターを見ても楽しいなというのはありました」と印象を語る。

 3人が演じる三島、竜崎、紫苑の中で、「気になるのは池松さんが演じている竜崎です」と川栄さんはいい、「もともと(前作で松山ケンイチさんが演じた)Lがすごく好きだったので、(Lのような)不気味な感じをどうやってお芝居するのだろうという興味があり、すごく気になっていました」と理由を説明する。また3人は自分が持つ正義に従い行動するが、川栄さんは「竜崎は“THE正義”という感じがしますが、他の2人も理解はできます」と話す。

 今作の見どころについて、「『デスノート』の世界観がすごく好きで、その世界観が今作にもそのままあります。さらに今回はキャラクターそれぞれの正義感を持っていて、その思いが入り乱れたりするところがいい」と語り、「ファンの皆さんは『デスノート』の世界観が好きだったりすると思いますが、そういうところは出ているし、デスノートが6冊あることでパワーアップもしています。迫力が本当にすごいので、いろんな人に見てほしいです」とメッセージを送る。

 もしも本当にデスノートがあったら……。「殺されたくないなって思います」と切実な思いを明かし、「自分が殺すというよりは、殺される可能性もあるわけじゃないですか。なので人に優しくしようと思います(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに語った。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1995年2月12日生まれ、神奈川県出身。2010年、デビュー。15年8月にアイドルグループ「AKB48」を卒業し、その後は女優業を中心として活動。主な出演作に、テレビドラマ「東京センチメンタル」(テレビ東京)、「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」(日本テレビ系)、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK総合)、「早子先生、結婚するって本当ですか?」(フジテレビ系)、「死幣-DEATH CASH-」(TBS)など。映画は「劇場版 私立バカレア高校」(12年)に出演。また15年には初舞台「AZUMI 幕末編」で主演を務め、16年11月には舞台「あずみ 戦国編」の主演が決定している。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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