こだわりについて語った杏さん
女優の杏さんの映画初主演作「オケ老人!」(細川徹監督)が11日に公開された。老人ばかりのアマチュアオーケストラ(アマオケ)にひょんなことから入団してしまった主人公がバイオリンばかりか指揮をやらされるはめになり……というハートフルコメディー。今作で、杏さんはバイオリン演奏とオーケストラの指揮の両方に初挑戦した。映画には音楽に打ち込むお年寄りが数多く出てくるが、そんな人達に囲まれて杏さんは「人に囲まれながら年を取りたい」と語る。杏さん自身が打ち込んでいること、こだわっていることについて聞いた。
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◇お年寄りのオケメンバーに翻弄される主人公
映画は、荒木源さんの小説(小学館文庫)が原作。高校の数学教師の千鶴(杏さん)は学生時代に趣味でバイオリンを弾きオーケストラに所属していたが、引っ越しを機に地元の名門アマオケの演奏を聴いて感動し、また演奏してみたいと入団を決意。アポを取り練習場である公民館に足を運ぶと、どうやら楽団の名前を間違えていたようで、歴史と伝統はあるが今では年寄りばかりのへたくそなアマオケ「梅が岡交響楽団(梅響)」に入団してしまう。千鶴は梅響のメンバーのペースにすっかり翻弄(ほんろう)され、バイオリンのみならず指揮もやらされるはめになり……というストーリー。
◇バイオリンと指揮の練習にプレッシャー
杏さんは今作へ出演オファーを1年半前に受けて、「バイオリンと指揮をやらなくてはいけないという点が自分の中では大きくて。練習時間に絶対的に比例してくるものと思うので、なんとか頑張らなきゃなというふうに感じました」という。
練習は「1年半前から練習できるかというとそうでもなくて、台本が出来上がるまでにもまだ少し期間があって、また使用する楽曲も決まらないと練習のスタートがなかなかできないので、実際に練習に入れたのは半年前くらいでした。だから1年くらい(これから練習が)待ち受けているだろうなというドキドキする感じで持っていました」と少々プレッシャーも感じていたという。
◇バイオリンの弦を色分けして工夫
実際にバイオリンの練習は「私はまったく楽譜が読めないので、バイオリンには弦が4本あるんですがそれを色分けして、置く指に1、2、3、4と数字をつけて、例えば赤の3とかを全部の音につけて練習しました」と工夫した。
バイオリンの練習は音が出るので自宅ではできないと思いきや、「弓でボーイング(弾くこと、運弓)しなくても、弦に触るだけでも練習できるので、家でもやってました」となるべく楽器に触るようにして練習を重ねたという。
◇好きな料理に打ち込み…
この作品には音楽に長年打ち込んできたお年寄りが出てくるが、杏さん自身が打ち込んでいるものを聞くと、「これまで本当に仕事に打ち込んできたなと思います」ときっぱり。モデルと女優の仕事を両立してきたが、「始めた期間としてはお芝居の方があとなんですけれども、でもどちらもやっているということが相互作用し合って高められる仕事だなと思います」と両方続けられていることが互いにいい影響を与えているようだ。
お年寄りたちの音楽のように、杏さん自身が今後一生の趣味にしたいことを尋ねると、「もともと料理がすごく好きなんですけれども、長年作っていると、なんとなく自分の範囲内のものばかりになってきたりするので、知らないものを作ったり、興味を持ってやり続けたいなと思っています」と話す。
最近で一番うまくできた料理は「(10月下旬の取材の)2日前くらいなんですけれども、ミートボールパスタを作りました。おいしくできましたね」と明かした。
次回は女優の仕事や好きなファッションなどについて聞く。
<プロフィル>
あん 1986年4月14日生まれ、東京都出身。2005年から海外のファッションショーで活躍。06年ニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。07年から本格的に女優活動をスタートし、「名前をなくした女神」(11年、フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を果たし、第36回エランドール新人賞を受賞。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」(13年後期)のヒロインを務め、一躍注目を浴びる。主な出演作は、ドラマが「花咲舞が黙ってない」(14、15年、日本テレビ系)、「デート~恋とはどんなものかしら~」(15年、フジテレビ系)、映画は「おかえり、はやぶさ」「妖怪人間ベム」(ともに12年)、「プラチナデータ」「真夏の方程式」(ともに13年)、声優として劇場版アニメ「百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~」(15年)などに出演した。
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