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女優の蒼井優さんが17日、名古屋市内で主演映画「アズミ・ハルコは行方不明」(松居大悟監督、12月3日公開)の会見を行った。蒼井さんにとって同作は、2008年の「百万円と苦虫女」以来の映画単独主演作で「(挑戦したことは)何もしないということ。やったのは、ただカメラの前に立つことだけ。怖いんですけど“丸腰”でした」と撮影を振り返った。
蒼井さんは「台本を読んで同じ経験をしたことがないのに、安曇春子(あずみ・はるこ)が味わっている感覚は、私、味わってきたぞって思ったんです」と語った。撮影に関わった女性のスタッフも同じ気持ちを感じていたといい、「台本を読んだ人(自分や女性スタッフ)たちが、そう思っているのに、そこに要素を足して『私じゃない』と感じてしまうと、この台本の面白みが減る。だから引ける限り引こうと思いました」と時折、笑顔を見せながら演技について語った。
この日は松居監督も出席。劇中に「名古屋」「ドラゴンズ」というワードが登場することについて聞かれると、原作にも名古屋の映画館が登場することに由来するといい、「名古屋の空気を知らないこの人たち(キャラクター)にとって、すごくきらびやかな場所。でもそこで負けて帰ってくる。近いようですごく遠い憧れの町として名前を借りました」と説明した。
「アズミ・ハルコは行方不明」は、13年に発表された山内マリコさんの小説を映画化。蒼井さん演じる安曇春子の失踪を軸に、春子のグラフィティーアートを拡散する高畑充希さん演じる木南愛菜や、男だけを無差別に襲う女子高生ギャング団など個性的なキャラクターが登場する青春ストーリー。失踪前と失踪後の出来事を、時間軸を交錯させながら描いている。