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女優の波瑠さんが主演する連続ドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」がNHK総合の金曜午後10時のドラマ枠「ドラマ10(テン)」で放送されている。脚本家の井上由美子さんによるオリジナルストーリーで、友達以上に仲のいい母娘の関係が、1人の男性の登場で一変し、母と娘が泥沼のバトルを繰り広げるようになる……というサスペンスフルなホームドラマだ。波瑠さんに今年の目標や、母親役の斉藤由貴さんの印象などについて聞いた。
◇2016年は目が回るような1年 朝ドラ撮影を振り返ることも
波瑠さんは、2015年9月から16年4月に放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」でヒロインを演じ、ブレークを果たした。16年は民放の連ドラ初主演となった「ON」(フジテレビ系)や、ヒロインを演じた「世界一難しい恋」(日本テレビ系)を中心に大活躍した。
16年を振り返って「(15年から)引き続き、未知の世界が広がっていました。これほどドラマに連続で出演させてもらうことはなかったですし、バラエティー番組や(パーソナリティーを務めた)『24時間テレビ』などにも出演して、いろんな人に会いました。目が回るような1年でした」と手応えを感じたようだ。
忙しいながらも「そのときどきの記憶はありますね。そのときに見ていたものが、なにかに引き出されるようにふっと頭に浮かぶことがあります」といい、朝ドラの撮影を振り返ることもあるという。
「(撮影が約10カ月という)長丁場だったので、楽しいときも、ダメだって思うときもあって。なんであのときダメだって思ったんだろう、何がダメージだったんだろうって、分析し直すようなことはありますね。終わったことなので考えるだけなんですけれど……」とにっこり。
今年、26歳を迎えることについて「20代後半になるのが、すごく不思議。『大人になっちゃった!』みたいな感じです」とちゃめっ気たっぷりに表現し、「今まで通り、目の前のことを一生懸命やっていくしかないと思います。一つ一つの現場を大事にできれば」と真っすぐな瞳で語った。
◇エスカレートする母親に「勝てる気がしない」 松島との“三角関係”とは…
波瑠さんが、ドラマで演じているのは私立女子高の英語教師、早瀬美月。斉藤さん演じる母親の顕子と友達以上に仲がいいが、柳楽優弥さんが演じる松島太一と出会ったことで、自分が無意識に母親の顔色を見て生きてきたことを自覚していく。一方、母親の顕子は、娘が自分から離れていくことに動揺し、娘を奪われまいと、心の奥にある“危険なスイッチ”が入ってしまう……という展開でストーリーが進行する。
斉藤さんが演じる母・顕子について「すごく怖いんです」と語る波瑠さん。顕子は、優しいながらも美月が知らない間に、当たり前のように美月のデートを尾行したり、美月の部屋の引き出しを無断で開けたりする母親で、物語が進むにつれて、その行動がエスカレートする。まるでホラー映画のような形相を見せる場面もある。
波瑠さんは、その怖さを「顕子は花やリボンが好き。斉藤さんが演じると、美しさと可愛らしさが相まって、(怖さが)パワーアップしています。斉藤さんのオーラ(や存在感)も大きくて、すごいんです。美月は主張が弱いので負けてしまう……。勝てる気がしないですね」と苦笑い。
エスカレートしていく顕子に対し、おとなしい性格の美月は、控えめながらも徐々に“呪縛”から逃れようと成長していく。波瑠さんは美月の心情を「台本には書かれていないんですけれど」と断りつつ、「『強引な母親に合わせ続けてきた結果、この関係に落ち着いてしまっている』と、主張してこなかった自分にも原因があると感じているんじゃないかな。私だったら、きっとそう感じてしまう」と考えている。
「だから母親だけを簡単に悪者にはできない……でも拒絶反応が出てしまうという状況に陥っていくんです」と美月の顕子への複雑な思いを“代弁”した。
20日に放送される第2話のサブタイトルは「三角関係」。波瑠さんは、この“三角関係”について「(顕子が)女性として男性(松島)に引かれる気持ちなのか、私に対する嫉妬の上の選択なのか……。顕子の中で何があったのか、正解は分からないんです。ただ美月と松島の関係を、乱そうとはしていると思いますね」と含みを持たせた。
次回は、波瑠さんが大切にしている言葉などについて聞く。
<プロフィル>
はる。1991年6月17日生まれ。東京都出身。2006年に角田光代さんの直木賞受賞作を映像化したドラマ「対岸の彼女」(WOWOW)で女優デビュー。その後、数々のドラマや映画に出演。14年公開の「がじまる食堂の恋」(大谷健太郎監督)で映画単独初主演。15年後期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」のヒロイン・白岡あさ役でブレークし、昨年は「ON」(フジテレビ系)で民放の連ドラに初主演したほか、「世界一難しい恋」(日本テレビ系)でヒロインを演じた。