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ディズニーの最新劇場版アニメ「モアナと伝説の海」(ロン・クレメンツ監督&ジョン・マスカー監督)が10日、公開される。南の島に住む16歳のヒロイン・モアナが、島や世界を闇から守るため、海へと冒険の旅に出る……というストーリーで、主題歌の「どこまでも~How Far I’ll Go~」をはじめ数々のハッピーな楽曲に心躍らされる。吹き替え版で見たい一本だ。
命の女神テ・フィティの伝説を聞いて育ったモアナ。成長するにつれ、海への憧れを募らせるが、村には掟(おきて)があり、その願いはかなわなかった。あるとき、島でココナツが枯れ、近海で魚が捕れなくなるという異変が起き、タラおばあちゃんから「お前は海に選ばれた」と告げられたモアナは、島や世界を守るため、テ・フィティの伝説を胸に憧れの大海原へ飛び出していく……という物語。
クレメンツ監督とマスカー監督は、ディズニーアニメーションの中でも名曲の多い「リトル・マーメイド」「アラジン」のコンビ。日本語吹き替え版は、楽曲の魅力を引き出すキャスティングで、モアナをオーディションで選ばれた新人の屋比久知奈(やびく・ともな)さんが演じた。屋比久さんはミュージカルのメッカ「帝国劇場」(東京都千代田区)で行われた「ミュージカルのど自慢」のグランドファイナルで最優秀賞を受賞した実力の持ち主。主題歌で聴かせる伸びやかな歌声は、困難にぶつかっても大海原を進むモアナのあふれる勇気や真っすぐな意志を見事に表現している。
モアナと旅をするマウイを演じるのは、ミュージカルでも活躍する歌舞伎俳優の尾上松也さん。マウイが、自身たっぷりに歌う陽気でコミカルな曲「俺のおかげさ」は、聴きどころの一つで、繰り返し聴きたくなるリズムに加え、歌声の魅力に舌を巻くこと請け合いだ。また海底に住む巨大なカニのモンスターで、モアナとマウイの旅の邪魔をするタマトアを演じるのはミュージシャンのROLLYさん。自分をキラキラと飾ることが好きなタマトアが歌う「シャイニー」は、グラムロックに影響を受けており、派手なジャンプスーツでおなじみのROLLYさんに見た目も楽曲もぴったり。セクシーな歌声で魅了する。またジブリアニメ「千と千尋の神隠し」で湯婆婆を演じた夏木マリさんがモアナの祖母・タラおばあちゃんを演じている。
オセアニアからインスピレーションを得たストーリーやキャラクターには、これまでのディズニーアニメーションにはない新鮮さがふんだんに詰まっている。悩みながらも自分で道を切り開き、大海原を駆けるモアナの姿や、美しい海や山、星空といった景色に、大人も子供もワクワクさせられることだろう。エンドロールの最後の最後まで、しっかりと楽しませてくれる。10日から全国で公開。(服部美央/MANTAN)