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女優の栗山千明さんが、放送中の連続ドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)に刑事役で出演している。上川隆也さん主演の「遺留捜査」は、風変わりな刑事・糸村(上川さん)が事件現場に残された遺留品から事件の真相と被害者の思いを明らかにしていく1話完結型の刑事ドラマ。今回はシリーズ第4弾となり、京都が舞台。栗山さんは糸村の異動先、京都府警捜査1課特別捜査対策室の同僚刑事、神崎莉緒を演じている。栗山さんにドラマのロケ地となった京都の魅力や撮影エピソード、女優の仕事などについて聞いた。
◇舞台となる京都の魅力
「遺留捜査」の撮影は、6月中旬から京都で行っている。栗山さんはロケ地、京都の魅力を「“絵になる”というのが一番じゃないかな。警察署や取調室など無機質な場所との対比として、すごく趣もあるし、開放感もありますし」と目を輝かせる。京都の夏は暑いというイメージがあるが「ホント、そこはちょっとドキドキしています。祇園祭のころにはにぎやかにもなりますし。汗だくになってるかもしれないです」と笑顔で語る。
京都の好きな場所は「私、結構いろんな場所に行ってまして、街を離れれば緑も豊かですし、ロケーションとしていろんな画(え)が撮れて、撮影部はすごく面白みがあるんじゃないかなと思いますね。ドラマの中でも京都っぽいお菓子の話が出てきたり、歴史を感じさせられるようなものが遺留品になっている回もあるので、京都ならではという雰囲気も出ると思います」とロケ地を生かしたドラマ作りが進んでいるようだ。
そして今回のドラマについて、「シリーズのファンの方も多くいらっしゃると思うんですけれど、舞台が京都になったことによって、今までのいいところを残しつつ、新鮮な感じで見てもらえる内容になっていると思います。糸村さんの良い意味での変わり者っていうのが、私の莉緒との対比でうまく表現できて、笑ってもらえればなと思います」と見どころを語る。
◇ベテラン俳優に囲まれて…
女優として活動を始めて18年。栗山さんにとって演じるということは? 「想像力から始まることなのかなと思うんですけど……。私も教えてほしいです(笑い)」といまだ模索中のようだ。
これまでは、“ぶっとんだ役”が多かったが、「演じていて緊張しないのはぶっ飛んだ役ですね。『こんな人見たことないでしょ』という、(演じていて)正解がないことが多いので、チャレンジしやすいんですけれど、リアルな役ですと、『そんな人(実際には)いないよ』とか、それは合っているとか、それは違うという境界線があるような気がして。そこで、リアルな役の方が、自分はこれでいいのだろうかって緊張したり、悩んだりっていうことが多いですね」と明かす。
今回、「遺留捜査」で演じる神崎莉緒は、栗山さんいわく、「学級委員長のような役」という“堅物”の刑事だ。普段より緊張するのだろうか。「すごく緊張しています。しかも、ピシッとしている生真面目さを出さなくちゃと思うんですけど、そう思えば思うほど緊張してくる」と話す。
さらにベテラン俳優陣に囲まれての演技も緊張に拍車をかけるようだ。「出演者の方が本当に豪華で、しかも先輩方が多いので、もう目の前にいらっしゃるだけで緊張するじゃないですか。だから、役に対してもそうですし、先輩方のオーラに緊張するっていうのもあります」という。
◇声優を尊敬 洋画の吹き替えに「私でいいのかな」
公開中の映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」の日本語吹き替え版で新キャラクターの天文学者、カリーナの声を担当した。「声をあてること自体が経験が少ないのと、難しいなって改めて感じましたね。もともと私、アニメが大好きで声優さんをすごく尊敬しているからこそ、私でいいのかなっていう気持ちもありつつ、やらせてもらいました。『遺留捜査』もそうですけど、シリーズで長く愛されている作品はやっぱり注目度も高いですし、シリーズのファンの人たちを裏切らないようにしなきゃなっていうのがありましたね」と語る。
今後も洋画の吹き替えやアニメの声優をやっていきたいか、と聞くと「私で務まるものであればやらせていただけたらうれしいですけど。ちょっといたたまれなくなりそうな気もします(笑い)。『パイレーツ~』の時は録(と)るとき私一人だったので、最小限のご迷惑で済んだとは思うんですけれど、ほかの声優さんと一緒にやるような機会があったら、ご迷惑をおかけしてしまうんじゃないかと思って」と謙虚に語る。
完成した日本語吹き替え版を鑑賞して、「声をあてていた時の感覚と、完成した作品を見た時ってまたちょっと違って。結構出番が多かったんだなあと改めて思いました」としみじみ語る。自身の吹き替えについて、「今回、(『エクスペンダブルズ2』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』に続き)3回目だと思うんですけど、前回よりはできたかな……」といい、点数を付けると「65から70点ぐらいですね」と自己分析する。
◇フワッとした天然な役をやってみたい
栗山さんは女優としての将来について、「本当にいろんな役をやらせていただいていると思うんです。生真面目な役から変わった役まで。それでこれまで、どんな役をやったことがないかなと考えると、フワンとしてる役、ふわふわしてる役っていうんですかね。そういう役を演じているのが、自分でも想像つかないんです」と切り出した。「ちょっと天然な役。多分、私がやろうとすると難しいと思うんです。想像もできないですし。だから、チャレンジしたら面白いのかな、と思うのと、振り幅として、そちら側が足りないなという感じがするんです。コメディーと真面目な話と、個性的な役とありますけど、フワッとはやったことないなって」と新境地に挑戦したい意向だ。
外見はキリッとしたクールビューティーな栗山さん。フワッとした役は想像できないが、「普段はキリッとしてないですけどね。普段は本当に違う(笑い)」と素顔は“天然”な要素もあることを明かした。
次回は、休みの日の過ごし方や美容や健康で気を使っていること、10年後の予想などについて聞く。
<プロフィル>
くりやま・ちあき 1984年10月10日生まれ、茨城県出身。「ニコラ」(新潮社)などのティーン誌でファッションモデルとして活躍。99年、映画「死国」で女優デビュー。映画「バトル・ロワイアル」(2000年)に出演。その演技がクエンティン・タランティーノ監督の目にとまり、「キル・ビルVol.1」(03年)に出演。04年、映画「下弦の月~ラスト・クォーター」で映画初主演。その後、さまざまな映画、ドラマなどの出演。1日に公開された映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」の日本語吹き替え版でカリーナの声を担当した。ドラマ「遺留捜査」は上川さん、栗山さん、甲本雅裕さん、戸田恵子さん、段田安則さん、永井大さんらが出演。テレビ朝日系で毎週木曜午後8時に放送。