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米俳優のトム・クルーズさんが、現代によみがえったミイラ(マミー)と戦うアクションアドベンチャー映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」(アレックス・カーツマン監督)が28日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開される。クルーズさんが、これまで演じてきたイーサン・ハントともジャック・リーチャーとも違う、“ちょいワル”で、かつ、メタメタにやられるキャラクターを演じているのが新鮮だ。
ブラックマーケットに横流しするための“お宝”を求め、イラクの戦闘地帯を訪れていた米軍関係者のニック(クルーズさん)と相棒のクリス(ジェイク・ジョンソンさん)は、激しい戦闘に巻き込まれるが、その際にできた地下空洞の中で棺を発見する。考古学者ジェニー(アナベル・ウォーリスさん)の提案で、棺は英国に空輸されることになるが、同行したニックたちは、世にも恐ろしい体験をすることになる……というストーリー。
アクションアドベンチャーと聞いてイメージしていたよりもハードでダークな内容だ。ミステリーの要素も強く、ホラー要素も含まれており、大人向けといってもいい。棺はその後、古代エジプト時代、権力を手に入れようとして失敗、生きながらミイラにされた王女アマネット(ソフィア・ブテラさん)の棺と判明するが、封印を解かれて現代によみがえったアマネットは、不気味でありながら強じんで美しく、彼女の魔力によってロンドンの街が砂嵐に見舞われる場面は圧巻だ。また、ラッセル・クロウさんが、モンスターを研究する秘密組織「プロディジウム」のリーダー、ジキル博士を演じており、ニックが、ジキル博士と“対決”し、かなりの苦戦を強いられるなど、これまでとは一味違うクルーズさんが見られるのも面白い。
今作は、ユニバーサル・スタジオが、同社がこれまで世に送り出してきたモンスター映画をリブートし、シリーズ化していくプロジェクト「ダーク・ユニバース」の第1弾に当たる。今作の元ネタはホラー映画「ミイラ再生」(1932年)で、今後、同プロジェクトでは、ハビエル・バルデムさんやジョニー・デップさんが出演し、「フランケンシュタインの花嫁」(35年)や「透明人間」(33年)といった作品がリブートされていくという。今作のラストで、ジキル博士とジェニーがはくせりふが意味深で、シリーズの今後がますます楽しみになった。(りんたいこ/フリーライター)