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注目映画紹介:「東京喰種 トーキョーグール」キャラ&世界観の再現度高し! 窪田正孝の熱演に注目

 俳優の窪田正孝さんの主演映画「東京喰種 トーキョーグール」(萩原健太郎監督)が、29日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開される。映画は、喰種が人間と同じように暮らす東京を舞台に、平凡な大学生が事故をきっかけに半喰種となってしまったことで人間と喰種の戦いに巻き込まれていく姿を描く。原作の再現度の高さには目をみはったが、特に主人公カネキを演じた窪田さんの鬼気迫る演技は見応え十分だ。

 「東京喰種」シリーズは、人肉を食らう怪人・喰種をテーマにした石田スイさんの人気マンガ。2011~14年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載され、14年からは新章「東京喰種トーキョーグール:re」が同誌で連載されている。水とコーヒー以外は人肉のみしか摂取できない、人間の姿をした正体不明の怪物「喰種(グール)」が、東京の街で人間と同じように暮らしている世界が舞台。さえない大学生の金木研(カネキ)は重傷を負い、喰種の臓器を移植され半喰種となってしまう。自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、以前から通い詰めていた喫茶店「あんていく」で働き始める。「あんていく」は喰種が集まる店で、喰種のことを知れば知るほど悩みを深めるカネキは、喰種を駆逐しようとする人間側の組織「CCG」の捜査官との戦いに巻き込まれていく……というストーリー。カネキ役を窪田さんが演じ、そのほか清水富美加さん、鈴木伸之さん、桜田ひよりさん、蒼井優さん、大泉洋さんらが出演している。

 原作の世界観をここまで大切にし、再現度を高めた映画はなかなかない。特に原作者も推していた、窪田さんのカネキの再現度は抜群で、序盤の頼りない雰囲気から半喰種となり、次第に喰種として狂気をまとっていく表情は必見だ。特に人間の食べ物を受け付けなくなるシーンは圧巻の演技力で、思わず目を背けてしまいたくなるほどの迫真の演技だった。カグネやクインケなどの武器を使ったアクションシーンはCGの繊細な表現もあって臨場感にあふれ、実在しているかのような迫力に目がくぎ付けになった。食や生物の共存など本能に訴えかけてくるテーマとダークな世界観でスクリーンから一時たりとも目が離せない。衝撃的な描写が苦手な人にはちょっとつらい部分もあるだろうが、原作ファンなら見ておきたい実写版だ。(遠藤政樹/フリーライター)

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