映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のメインビジュアル (C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さんの主演映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(廣木隆一監督)が23日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開される。東野圭吾さんの同名小説が原作。養護施設育ちの少年たちが、かつて街の人たちが悩み相談をすることで知られたナミヤ雑貨店に忍び込み、過去からの悩み相談の手紙に返事を書きながら、雑貨店の秘密や、相談者と自分たちの共通点に気付いていく物語だ。
2012年のある夜、矢口敦也、小林翔太、麻生幸平の3人は悪事を働き、以前は人々の悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」に忍び込み、一夜を明かそうとする。そこで店の郵便受けが32年前の1980年とつながっていることに気付いた敦也らは、店主に代わって過去から届いた悩み相談の手紙に返事を書くことにする……というストーリー。
敦也役は山田さん。翔太役は俳優の村上淳さんと歌手のUAさんの息子の村上虹郎さん。幸平を、俳優の佐藤浩市さんの息子の寛一郎さんが演じている。ナミヤ雑貨店の浪矢店主役で西田敏行さんも出演。
過去と現在が手紙によってつながっているというファンタジックな設定だが、登場人物一人一人が悩む姿を見ていると、ある種の現実感を持った人情味あふれる骨太なストーリーに心揺さぶられる。
昭和レトロを感じさせる街並みの郷愁や、手紙というアナログな手段の不思議な温かさなど、現代では忘れがちな何かに気付かせてくれるシーンが多い。
店主役の西田さんのさすがの演技、特に手紙を読む場面では涙腺を刺激されてしまう。クライマックスで流れる山下達郎さんの歌う主題歌「REBORN」にかなりぐっとくる。敦也らと同じ施設育ちで歌手になったセリ(門脇麦さん)が同曲をライブで歌うシーンも印象的をだ。(遠藤政樹/フリーライター)