映画「サニー/32」のビジュアル (C)2018『サニー/32』製作委員会
人気アイドルグループ「NGT48」のキャプテンで、今春グループからの卒業を表明している北原里英さん主演の映画「サニー/32」(白石和彌監督)が、17日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。北原さん演じる女性教師が、2人組の男に拉致、監禁され、凄惨(せいさん)な状況に追い込まれていくサスペンス作だ。犯人に扮(ふん)するピエール瀧さんとリリー・フランキーさんを相手に、北原さんが文字通り体当たりの演技を見せている。
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中学校教師の藤井赤理(北原さん)は、24歳の誕生日を迎えたその日、突然、2人組の男、柏原勲(ピエールさん)と小田武(リリーさん)に拉致され、雪深い山麓の廃屋に監禁される。柏原と小田は、10数年前に起きた小学生女児の同級生殺害事件の犯人“サニー”の熱狂的な信者。赤理をサニーと思い込み、犯行に及んだのだ。2人は、赤理に自分たちの好みのドレスを着せると、その姿をネット上にアップしていく。赤理は必死に監禁部屋からの脱出を試みるが……というストーリー。ほかに門脇麦さん、駿河太郎さん、音尾琢真さんらが出演する。
2004年に長崎県で実際にあった事件をモチーフに、白石監督と脚本の高橋泉さんが映画化した。白石監督と高橋さんといえば、13年公開の映画「凶悪」が思い浮かぶが、そこに「凶悪」に出演したピエールさんとリリーさんが加わるとあれば、生半可な内容ではないと予測できる。案の定、今作は「凶悪」に勝るとも劣らないおぞましい展開が待ち受けていた。
赤理役の北原さんは、極寒の中、薄い衣装のまま雪山を歩いたり、屋根に登ったり、殴られ蹴られたりと、まさに体当たりの演技。柏原と小田からのさんざんな仕打ちに正気を失いつつあった赤理が、後半、反撃に出る。それまでの疲れ切った表情が痛々しかっただけに、その急展開は歓迎すべきものだったが、赤理のひょう変ぶりに、演じる北原さんの“イメージ崩壊”を心配したほどだ。
門脇さんが演じる、ネット上に現れた2人目のサニーと赤理が対峙(たいじ)する場面も見どころの一つだ。門脇さんの存在感に圧倒されると共に、その場の空気の異様さに息をのんだ。(りんたいこ/フリーライター)
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