映画「ブラックパンサー」の一場面 (C)Marvel Studios 2018 All rights reserved.
米マーベル・コミックスの新たなヒーローが活躍する「ブラックパンサー」(ライアン・クーグラー監督)が1日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開された。アフリカのとある国の王という、もう一つの顔を持つニューヒーローが、世界を揺るがす危機に立ち向かうアクション大作だ。アメコミ史上初の黒人ヒーローは新鮮で、苦悩と葛藤を抱える主人公は極めて人間くさく、共感できる。
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アフリカの秘境にある超文明国ワカンダは、世界を滅ぼすパワーを持つ希少鉱石ヴィブラニウムの産出地。その秘密を守り、鉱石が悪の手に渡らないようにすることが、国王であり、国の守護者ブラックパンサーの使命だった。父王の突然の死で、心構えができないまま国王即位の儀式に臨んだティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマンさん)。やがて彼は、ヴィブラニウムを手に入れようとする謎の男エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダンさん)と対峙(たいじ)することになる……というストーリー。
ほかにアンジェラ・バセットさん、マーティン・フリーマンさんらが出演。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さんが、日本語吹き替え版でティ・チャラの妹で天才科学者シュリ(レティーシャ・ライトさん)の声を担当する。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)でチラりと姿を見せていたブラックパンサーの素顔が、いよいよ明かされる。父王が偉大だったがゆえに、その跡を継ぐ心構えができておらず、その上、元恋人(ルピタ・ニョンゴさん)への思いを断ち切れないティ・チャラがなんとも人間くさい。その彼が、敵との戦いを通じてどのような成長を遂げていくかが作品の肝だ。カーアクションやバトルシーンも充実。シュリが開発したブラックパンサー・スーツやハイテク機器が、物語にダイナミズムを与えている。
悪に走るのにはそれなりの理由があるキルモンガーに思わず同情したり、ティ・チャラを護衛する女戦士オコエ(ダナイ・グリラさん)の戦いっぷりにほれぼれしたりと、主役以外のキャラクターが魅力的なのも楽しい。それが見どころの一つになっている。(りんたいこ/フリーライター)
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