映画「泣き虫しょったんの奇跡」の一場面 (C)2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社
サラリーマンからプロになった将棋棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説を松田龍平さん主演で映画化した「泣き虫しょったんの奇跡」(豊田利晃監督)が、7日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。一度は夢に破れて挫折した男が、再び挑む人間ドラマだ。子供時代、対局シーン、家族との団らん……すべてのシーンに将棋に生きる男の情熱と苦悩が深く刻まれている。
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「しょったん」こと瀬川晶司(松田さん)は、子供の頃、中学生でプロ棋士になった谷川浩司棋士のニュースに触れ、父親・敏雄(國村隼さん)の勧めもあって、将棋道場に通って力をつけながら、中学生でプロ棋士養成機関の奨励会に入った。しかし、あと一歩というところで、「26歳の誕生日までに四段にならなければ退会」の基準を超えられなかった。初心に戻って再び将棋道場に通ううちにアマ名人となり、周囲の応援を受けて再びプロを目指す……というストーリー。
しょったんの親友でライバル役を、松田さんと公私共に仲がいいというロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の野田洋次郎さんが演じ、2人だからこそ出せるナチュラルな雰囲気を作り出している。永山絢斗さん、染谷将太さん、渋川清彦さん、駒木根隆介さん、新井浩文さん、早乙女太一さん、妻夫木聡さん、小林薫さんらの豪華キャスト。中学時代の晶司役で窪塚愛流さんが出演している。
しょったんを見守る女優陣も豪華。恩師役に松たか子さん、母親役に美保純さん、会社の同僚役に、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」の律の元妻役が話題の石橋静河さん。しょったんが好意を抱く女性役を上白石萌音さんが演じている。
将棋は勝つか負けるか二つに一つ。ジリジリと息の詰まる対局シーンでは、しょったんが少しずつ追い込まれ、焦り、苦悩する姿がじっくりと描き出され、手に汗握る。純粋に将棋が好きだった子供の頃。夢破れる前と後。いつだってしょったんには将棋しかなかった。周囲に見守られて挫折から再起し、成長していく一人の男の半生を、松田さんが見事に演じ切った。
豊田監督は、瀬川棋士と同世代で9~17歳は奨励会に在籍していたという。松田さんとは「青い春」(2001年)、「ナイン・ソウルズ」(03年)、「I’M FLASH!」(12年)に続き4作目のタッグとなった。(キョーコ/フリーライター)
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