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女優の波瑠さん主演の映画「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」(波多野貴文監督)が26日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開される。意に沿わない辞令を受けた波瑠さん演じる新入社員が、デキる上司(西島秀俊さん)の下で働くうちに仕事のやりがいを見いだしていく姿を描く。遊園地運営の裏側も垣間見ることができ、「お仕事図鑑」的側面も持った、ためになるエンターテインメント作だ。
恋人のトシ君(中村倫也さん)と同じホテルチェーンに就職して喜ぶ波平久瑠美(波瑠さん)だったが、配属されたのは、系列会社の運営する熊本の遊園地だった。ショックを受けながら現地に飛んだ久瑠美を出迎えたのは、スタッフの間で「魔法使い」と呼ばれ、園長(柄本明さん)からも一目置かれる上司の小塚慶彦(西島さん)だった。ふてくされながら、小塚の命じる仕事をこなしていくうちに、久瑠美の心に少しずつ変化が表れ始める……というストーリー。
久瑠美と同期の社員を岡山天音さんが演じるほか、先輩スタッフ役で深水元基さん、濱田マリさん、橋本愛さんが出演している。原作は、小森陽一さんの「オズの世界」(集英社文庫)。脚本は、映画「ヒロイン失格」(2015年)や「センセイ君主」(18年)の吉田恵里香さんが担当した。
仕事に対してとことん後ろ向きで、仕事中だろうがトシ君に電話をかけ、「嫌だ、嫌だ」と愚痴をこぼす久瑠美。そんな久瑠美を優しくたしなめ、励まし、東京から熊本まで遠路はるばるやって来てくれるトシ君の優しさには、久瑠美でなくても胸がキュンとしてしまう。
しかし、それに負けず劣らず心をときめかせてくれるのは、小塚の大らかな人柄だ。演じる西島さんは、いつものクールな表情ではない。こんな西島さんは見たことない!というほど底抜けに明るく、笑顔のまぶしい、おちゃめな三枚目に徹している。久瑠美に向けた「やめろよ、呼び捨ては。キュンとすんだろ」というせりふには、ときめきを通り越してこそばゆくなった。仕事への情熱がなさすぎて当初、共感できなかった久瑠美が、小塚の魔法でどう変化していくのか。映画を見て確かめてほしい。(りんたいこ/フリーライター)