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女優の斉藤由貴さんが18日、東海エリアで25日に放送される「東海テレビ開局60周年記念 ドキュメンタリードラマ『Home ~闇サイト事件・娘の贈りもの~』」のナレーション収録を同局(名古屋市東区)で行い、収録後に取材に応じた。斉藤さんは、同作で、2007年に発生した強盗殺人・死体遺棄事件「名古屋闇サイト殺人事件」の被害者の母・磯谷富美子さんを演じており、「富美子さんと(娘で被害者の)利恵さんの感情に寄り添って、与えられた台本を素直に、その時、自分の中に湧き上がった感情を大事に演じました」と撮影を振り返った。
事件は、インターネット上の“闇サイト”で集まった3人組の男によって、帰宅途中の会社員、磯谷利恵さんが拉致され、殺害された上、山中に遺棄された。東海テレビは、事件発生直後から富美子さんに密着し、1審の判決直後にドキュメンタリー番組「罪と罰」を放送。その後も継続して司法と闘う富美子さんを取材した。番組は事件前の母と娘の物語や、犯人の生い立ちをドラマとドキュメンタリーで伝える。
斉藤さんはドラマパートで富美子さんを演じ、番組全体のナレーションも担当。この日行われたナレーション収録では、44ページにも及ぶ原稿を初見で、ほぼNGなく録り終えた。「いち俳優として、いかにもという表現はせず、感情をあえて込めずに淡々と伝えることに気をつけました」という。
一方、今回の出演は、娘を持つ身としてつらいこともあった。「正直に言うと、お仕事として心情的にある程度の距離感を保ちながら向き合った側面もあります。どんなだっただろうとリアルに思いをはせると、現実に起きたことのあまりの重さに圧倒されてつらくなってしまうので」と言葉を選びながら、胸中を明かした。
ドラマパートでは、利恵さんを女優の佐津川愛美さんが演じ、利恵さんの子供時代を、NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロイン・鈴愛(すずめ)の幼少期を演じた矢崎由紗ちゃんが演じる。ほかに浅田美代子さん、大空眞弓さん、須賀健太さんらが出演する。
放送は東海エリアで25日午後7時から。