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松坂桃李:「パーフェクトワールド」実写ドラマで主演 初共演の山本美月と恋愛

 俳優の松坂桃李さんが、4月スタートの連続ドラマ「パーフェクトワールド」(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時)で主演を務めることが30日、分かった。女優の山本美月さんがヒロイン役で出演することも発表された。ドラマは、有賀リエさんのマンガ「パーフェクトワールド」が原作。松坂さんが連ドラで純粋なラブストーリーに挑戦するのは今回が初めてで、山本さんとの共演も初。松坂さんが同枠の主演を務めるのは、2015年10月期に放送された「サイレーン」以来、約3年ぶり。

 「パーフェクトワールド」は、14年から女性向けマンガ雑誌「Kiss」(講談社)で連載中のマンガで、2018年に映画化もされた。松坂さんは大学時代に事故に遭遇し、脊髄(せきずい)損傷で下半身が不随になった建築士・鮎川樹、山本さんはヒロインの川奈つぐみを演じる。高校時代はバスケ部のエースだったが、大学時代に事故に遭い、それ以来、車椅子生活で“恋もバスケももうしない”と心に決めている樹と、樹が初恋の相手だったつぐみのラブストーリー。飲み会をきっかけに再会し、引かれ合った2人が、親の反対や恋敵の出現、病気やけがなどの問題に直面しながら、「幸せとは何か」を模索していく……というストーリー。

 監督は連続ドラマ「FINAL CUT」「嘘の戦争」(同)などの三宅喜重さんと、「CRISIS公安機動捜査隊特捜班」「サイレーン」(同)などの白木啓一郎さん、脚本は、連続ドラマ「ラストシンデレラ」(フジテレビ系)などの中谷まゆみさんが担当する。

 ◇松坂桃李さんのコメント

 ――同枠への出演は「サイレーン」以来、約3年ぶりですが、オファーを受けての心境を教えてください。

 「サイレーン」は僕のGP(ゴールデンプライム)帯初主演ドラマだったので、思い出が多く、みんなで苦難を乗り越えた作品で、今でも鮮明に覚えています。また今まで夫婦のお話はあったのですが、実は、連続ドラマで純粋なラブストーリーに挑戦するのは初めてなので自分の中では新鮮で、「ラブストーリーやるのか~、そわそわするな」とうれしい面もあれば、表情が崩れるような、正直こそばゆい面もあります。さらにハンディキャップを背負いながらのラブストーリーなので、リアルさとハンディキャップを抱えた生活ならではの葛藤や共感も丁寧に描ければいいなと思っています。

 ――初共演する山本美月さんの印象を教えてください。

 アニメやゲームが好き……。同じニオイがします(笑い)。勘違いしないでいただきたいのですが、僕はオタクというのは、何か一つ、極めた者がもらえる称号だと思っていて、山本美月さんはそれを持っている方だと思います。山本さんには及ばないですが、そこをきっかけに、お好きなものを見聞きし、歩み寄っていきたいです。

 女優さんとしては、思い切りがすごくいい印象というか。監督の意図に沿って全力でやるというイメージがあります。役に対しての思い切り、忖度(そんたく)でやるということではなく、純粋にそこに対しての気持ちよさを感じます。あと年上男性からすごくモテそう(笑い)。ハッとさせられるような視聴者の方の目線に近いのが、つぐみの目線であって、そこを皮切りに恋愛が始まり、共に困難を乗り越えていくと思うと今から楽しみです。

 ――樹とつぐみの恋愛については?

 困難を受け止められる男はカッコいいですし、憧れがあります。ただ僕はなるべく平和にことを進めたいタイプなので、困難を乗り越えて進んでいくという部分については妄想をしています(笑い)。

 恋愛は人生を、より色濃くさせる経験の一つで、職業ドラマや刑事ドラマでもラブストーリーによって、気持ちが動かされているものが多い。樹がつぐみと出会い、引かれていくと同時にあきらめていたバスケをもう一度しようと思い始め、心にフタをしていた自分が変わっていく。主人公の人生観や価値観が恋愛によって変わっていく様は表現していきたいなと思っています。

 ――ラブストーリーはドラマの見どころの一つですが、それ以外に感じる魅力はどんなところでしょうか。

 車椅子生活というのは、自分の役どころの大きなポイントだと思うので、撮影現場にどう入っていくかは重要だと思います。撮影が始まらないと分からないことが多く、勝手も違いますし、慎重にやっていかなければならないと思っています。

 ――役作りをされていると伺いましたが、具体的にはどのようなことをされたのですか。

 原作のモチーフにもなっている車椅子に乗った建築士・阿部さんとお会いして、どのように生活されているのか、仕事をされているのかをご自宅と仕事場にお邪魔し、拝見させていただきました。どの所作が難しいことなのかも分からないくらい自然にされていたので、後からそうだよな、とハッとさせられました。自然に見せるためには相当練習が必要ですし、とにかく頑張るしかないという気持ちが今は大きいです。

 ――建築への興味は?

 建築は全く僕が通らなかった道ですが、住む方にうれしいサプライズを考える、とてもすてきなお仕事だと思います。バリアフリーを前提に、物理的な住みやすさだけではなく、心の住みやすさを追求したデザイン、気持ちいい空間をつくるということの大切さを伝えていく作品になればいいなと思っています。

 ――意気込みをお願い致します。

 連ドラとしては初めてのラブストーリー、全力で頑張ります! 積み重ねていける、連続ドラマならではの利点を生かし、山本美月さんと力を合わせ、作品に向き合っていきたいと思っています。

 ◇山本美月さんのコメント

 ――マンガが大好きな印象がある山本美月さんですが、原作の感想や見どころをお聞かせください。

 人を愛する心を真っすぐに表現している作品だと思いました。樹の障害を通して、私自身知らなかったことがたくさんあり、とても考えさせられました。私は少女マンガを普段あまり読まないのですが、久しぶりに読むと恋愛のもどかしさがなんだか新鮮に感じ、恋が愛へと変化する気持ちを見させていただいたような気がします。

 ――初共演する松坂桃李さんの印象を教えてください。

 今回初めてお会いするので、テレビで拝見した印象で恐縮ですが、とても完璧な人! というイメージがあります。役者として先輩の松坂さんとご一緒させていただけるのは、とてもうれしいですし、頼もしいです。このような恋愛ドラマに出ることがあまりないので、松坂さんはじめ、キャストみんなで楽しい現場が作れたらうれしいです。

 ――樹とつぐみの恋愛については?

 たとえどんな障害があっても、その人を好きだという気持ちはきっと抑えることはできないと思います。いろいろな形の障害があるとは思いますが、それを2人でどう乗り越えるかを一緒に考えながら、時にぶつかり合いながら、共に進めていけたらすてきだと思います。

 ――ラブストーリーは番組の見どころの一つですが、それ以外に感じる魅力はどんなところでしょうか?

 恋愛ドラマに参加をすることがあっても、恋愛の部分に大きく関わる経験が少なかったので、とても楽しみです。また、私はこのマンガを読んで、障害を抱えている方の気持ちを全然理解できていなかったことに気づかされました。身体障害者用の車の存在だったり、スポーツ、視線の低さ、ほんの少しの段差が車椅子の方にとって、大きなハードルになってしまうことだったり。きっとまだまだ知らないことはあるとは思いますが、このドラマを見ることで、体に障害を抱えている方々の気持ちを理解してもらえたらと思います。そして、どんな人でも同じように暮らせる世界になったらと思う方が少しでも増えたらと思います。

 ――撮影に向けて、どんな役作りをしたいですか?

 原作がしっかりとあるものなので、イメージをなるべく近づけられたら、と思います。実際に現場で監督や演者同士でお会いすると、いろいろと変わることは多いとは思いますが、自分の中のつぐみの樹への恋心を今から少しずつ育てて、ドラマと一緒にたくさん悩みながら成長させていけたらと思います。

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